作品情報 2018年日本映画 監督:英勉 出演:中条あやみ、佐野勇斗、清水尋也 上映時間:115分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2018年劇場鑑賞213本目
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【ストーリー】
高校3年の筒井光(佐野勇斗)はアニメオタクで女性恐怖症。クラスでも家でも一番下の存在だった。ところが、ふとしたきっかけで学年一の美少女、五十嵐色葉(中条あやみ)と知り合う。光の優しさ、純粋さにひかれた色葉は、光に告白。光だけでなく光の親友の伊東(ゆうたろう)や学年一のモテ男で嫌みなミツヤ(清水尋也)ら周囲はありえないできごとに驚く。
女の子とデートするのも初めての光はアニメオタクを隠そうとする。だが、色葉は偏見なく、光の好きなアニメキャラ・えぞみち(声・神田沙也加)のフィギュアをプレゼントとしてうれしそうに受け取るのだった。周囲に騒動を起こし、色葉に振り回されながら、付き合いを深めていく光。だが色葉にはある秘密があった…
【感想】
アニメオタクでもイケメンだったらもてるし、現実社会にも奇跡も魔法もある。なのに、一昔前のステレオタイプ的な光の描き方は、まあコメディ映画だから許容範囲だとしても、アニメやオタクに対する愛があまり伝わってきませんでした。特に佐野はオタク特有の専門的な長台詞をきちんといえてるのはすごかったのですが、声を低くして早口すぎて、聞き取りずらい。「電車男」の山田孝之や伊藤淳史は偉大だったなとしみじみ。
ただ、中盤以降、こちらが慣れたせいもあるでしょうが、光と色葉とのコンビがテンポよく感じられ、ラブラブぶりはニヤニヤしながらみられます。中条のオーラはさすがですね。もっとも、それよりもライバル役のミツヤと光のドタバタや、光のデートのアドバイザーとなったクラスメートの美少女ありさ(恒松祐里)、しっかりと光をサポートする伊東、そして、光に恋する後輩の綾戸(上白石萌歌)といった脇役が魅力的。連続ドラマでじっくりこのあたりを観てみたい気もしました。
特に清水はこういうコメディーリリーフもしっかりできるのかと再認識。恒松の小悪魔ぶり、上白石の天然ぶりと、芸達者な若手がしっかり物語をしめています。また、アニメキャラのえぞみちがモニターを飛び出す光の妄想演出も、神田のアニメキャラになりきった声の演技がすごく、本職の声優がやっているのかと思っていました。
しかし、僕にとって英勉監督の演出はまるときと外れるときがあり、今回は序盤の書店のシーンや、大事なところででてくるハロウィーンのシーンがダメでした。「リメンバーミー」を想起させるハロウィンの死者のキャラを使った意図は何となく想像がつくけど、邦画の実写だとちょっと寒いかな。実際、大切なシーンで、周りのダンサーのほうに目が行っちゃって、けっこうシュールでしたし。また、物語のカギとなる間渕(三浦貴大)の役割が前半と後半でまったく一貫していないのも違和感がありました。
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