作品情報 2018年日本映画 監督:藤村享平 出演:棚橋弘至、木村佳乃、寺田心 上映時間:111分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2018年劇場鑑賞215本目
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【ストーリー】
小学校3年の大村祥太(寺田心)は気は優しくて力持ちの父親、孝志(棚橋弘至)のことが大好きだった。ところが、母の詩織(木村佳乃)は美容師をしているのに、孝志は何の仕事をしているか教えてくれなかった。クラスメートから不思議がられた祥太は、孝志のあとを尾行していく。
ついたさきはプロレス会場だった。そこであこがれの同級生・平野とその父(淵上泰史)と出会い、一緒に観戦する。一番人気はイケメンの実力派ドラゴン・ジョージ(オカダ・カズチカ)だったが、試合で卑怯な手をつかってぼこられるゴギブリマスクをみて祥太は仰天する。なんと正体は父親の孝志だったのだ。クラスメートにドラゴン・ジョージの息子と誤解されてしまった祥太は、ゴキブリマスクが父親とはいえず…
【感想】
祥太目線で親子愛を描いたファミリー映画なのに、寺田心以外の子役情報がまったくわからず。物語的には大泉洋らゲスト的な有名俳優よりはよほど重要な役なのに、その部分の紹介がないのは残念です。
さて、大好きだったパパは実は…と幻滅することは子供の成長過程で必ず必要なことかもしれません。でも、それが世間から嫌われている悪役だった時どうなるか。祥太のショックははかり知れません。同時に孝志からしても、自分の仕事は誇りをもっている、けれども息子にうまく伝えられないというジレンマは、これまた多くの大人が共感しそう。父子の絆をしっかり描いているのが、最近では直球すぎるほどです。
そして、子供の世界もうまく描けている。クラスで控えめな存在だった祥太がドラゴンの息子だとされて、一躍人気者に。でも、そんな祥太がやっかまれ、というのは小学校3年生でも大人の世界の縮図になっているよう。本当に、子供たちの場面が生き生きと描かれているのも本作の見どころです。
そして、最大の特徴は棚橋、オカダら人気レスラーが登場して、迫力ある試合を展開しているところ。僕はプロレスにはまったく興味がなかったのだけど、大画面の威力もあり、試合シーンはスクリーンに釘付けになりました。親子連れが多かったので子供がこれでプロレスファンになれば、制作者側もうれしいでしょう。
棚橋はどうころんでもとつとつとした素人ぽさなんだけど、やはり本職レスラーという役柄にどんぴしゃり。木村や記者役の仲里衣沙がいかにも演技している上手さを見せる分、寺田たち子役演技が、いい塩梅にはまりました。また、ゴキブリマスクの相棒ギンバエマスク役の田口隆佑がプロの俳優顔負けの渋い演技をしているのも見どころ。プロレスファンなら見逃せない一品でしょう。
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