2018年10月23日

日日是好日

 茶道の世界に身を置いた女性を通して、日本的精神のわびさびといったものをまったり取り上げた作品。師匠役の樹木希林が素晴らしく、亡くなられた今観ると、心に響くセリフもありました。ただ、あまりにもまったりしていて、尖った作品の多い大森立嗣作品とは思えませんでした。

 作品情報 2018年日本映画 監督:大森立嗣 出演:黒木華、樹木希林、多部未華子 上映時間:100分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2018年劇場鑑賞244本目




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 【ストーリー】
 1993年、20歳の女子大生の典子(黒木華)は、母親(郡山冬果)から茶道を勧められ、同じ歳で仲良しの従姉妹・美智子(多部未華子)と、近所で茶道教室を開いている武田(樹木希林)に弟子入りする。

 せわしない現代に生きる典子たちにとって、茶の湯の世界はまったく新しいことばかり。武田のおおらかな人柄にも惹かれた彼女は、大学を卒業したあとも茶道を続けていく。うれしいことがあっても、悲しいことがあっても、茶と向き合うことで典子は成長していった。

 【感想】
 たまたま観た映画館では字幕付き上映をしていて助かりました。僕にはまったく茶の知識がないので「けんすい」(建水、茶道の道具)と言われても「懸垂」のことかと思ってしまいます。それにしても袱紗の折り方だけあれだけ複雑では、僕だったら初日で挫折してしまうと思いました。

 物語は季節とともにゆったり流れます。そのなかで、典子と美智子は茶の湯にだんだんとはまっていきます。女子大生にとっても、こうした世界というのは新鮮だったのでしょう。やがた物語は典子にクローズアップされていきますが、何年も修業を重ねても、新米の女子高生(山下美月)のセンスの良さに嫉妬したり、実生活で嫌なことがあると、心がささくれだってしまったりと、なかなか悟りの境地にはたどりつけません。

 けれども、温かく包み込むような武田のアドバイスと笑顔で、典子は救われていきます。樹木が非常にゆったりとした台詞回しで、なおかつ最近の彼女の役では珍しく、ユーモアを交えつつ弟子を導く完璧な師匠役にはまっていたのがよかった。予告編にある「毎年同じコトができるのが幸せなんだなあ」なんて台詞は、もちろん、彼女の急死があったとはいえ、彼女でしかだせない味のある言い回しでした。

 黒木は、こういっては何ですが地味顔なだけ、かえって、等身大の女性の悩みというのが出ていました。やさしいけど不器用な父親(鶴見辰吾)との関係、やりたいことが見つからない仲で進路を決めなければならない不安、そして悲しくてやりきれないことが起きたときの途方に暮れた顔。そんな真面目なシーンばかりでなく、黒木と多部がユーミンの替え歌を踊ったりとか、単調にならないような工夫も盛り込まれています。

 もし、若いときにみて分からなくても、年月をかさねてもう一度みれば、深い価値がわかる、そんなふうに思えてなりませんでした。 
posted by 映画好きパパ at 07:29 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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