2018年10月24日

バーバラと心の巨人

 子どもの心象風景が怪物になった現れるって何かで観たのと思ったら、「怪物はささやく」でした。「若おかみは小学生」と比べると、海外のこうした作品のほうがカネはかかっているけど、心理描写が平板だなと辛辣にみてしまいます。

 作品情報 2017年アメリカ、ベルギー、イギリス、中国映画 監督:アンダース・ウォルター 出演:マディソン・ウルフ、ゾーイ・サルダナ、イモージェン・プーツ 上映時間:106分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2018年劇場鑑賞245本目



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
 【ストーリー】
 港町に住むバーバラはうさぎの耳飾りをいつもつけている風変わりな少女。街を巨人が襲ってくると信じており、森の中に罠をしかけるなどの対策に余念がない。母親(ジェニファー・イーリー)が病気で、母親代わりの姉カレン(イモージェン・プーツ)は妹の突飛な行動に頭を悩ませている。

 イギリスからやってきた転校生のソフィア(シドニー・ウェイド)と仲良くなったバーバラだが、学校ではいじめをうけていた。スクールカウンセラーのモル(ゾーイ・サルダナ)はそんな彼女を心配するのだが…。

 【感想】
 そういえば、海外作品でも「パンズ・ラビリンス」なんて大傑作がありました。そうした作品とちがって、本作は少女の妄想があきらかなので、家族や学校がうんざりするのに観ているこちらもバーバラへの同情が薄れてしまうところです。

例えば「パンズ・ラビリンス」では、怪物は実際にいてもおかしくないと観客が納得できるのです。そして、その怪物の世界と現実をどう折り合いをつけるか、周囲との軋轢をどうするかが一つの見所でした。それがラストの壮絶な美しいシーンへとつながっていきます。本作の場合、学校でのいじめのシーンが、さもありなんという感じにでてしまってます。

 もちろん、母親の病気というのは子どもにとって不安でたまらないでしょう。でも、いかにもな巨人の襲撃というのもありきたりだし、巨人のビジュアルも平凡。何より、周囲からの救いの手もはねのけてしまうバーバラにみていていらつきました。こんな少女が周りにいたら周囲は大変だろうなあ。両親の死にどう耐え、どう乗り切るかを正面から描いた「若おかみは小学生」をみたあとだと、うーんとしかいいようがありません。

 もっとも、子役の演技は迫真にせまっており、マディソン・ウルフの孤独観あふれる悲痛な叫びはたいしたもの。相手役のシドニー・ウェイドは子役時代のクロエ・グレース=モリッツを思い起こさせる存在感がありました。ハリウッドは子役の層が厚いなあと実感させられます。
posted by 映画好きパパ at 07:30 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。