作品情報 2017年アメリカ、ベルギー、イギリス、中国映画 監督:アンダース・ウォルター 出演:マディソン・ウルフ、ゾーイ・サルダナ、イモージェン・プーツ 上映時間:106分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2018年劇場鑑賞245本目
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【ストーリー】
港町に住むバーバラはうさぎの耳飾りをいつもつけている風変わりな少女。街を巨人が襲ってくると信じており、森の中に罠をしかけるなどの対策に余念がない。母親(ジェニファー・イーリー)が病気で、母親代わりの姉カレン(イモージェン・プーツ)は妹の突飛な行動に頭を悩ませている。
イギリスからやってきた転校生のソフィア(シドニー・ウェイド)と仲良くなったバーバラだが、学校ではいじめをうけていた。スクールカウンセラーのモル(ゾーイ・サルダナ)はそんな彼女を心配するのだが…。
【感想】
そういえば、海外作品でも「パンズ・ラビリンス」なんて大傑作がありました。そうした作品とちがって、本作は少女の妄想があきらかなので、家族や学校がうんざりするのに観ているこちらもバーバラへの同情が薄れてしまうところです。
例えば「パンズ・ラビリンス」では、怪物は実際にいてもおかしくないと観客が納得できるのです。そして、その怪物の世界と現実をどう折り合いをつけるか、周囲との軋轢をどうするかが一つの見所でした。それがラストの壮絶な美しいシーンへとつながっていきます。本作の場合、学校でのいじめのシーンが、さもありなんという感じにでてしまってます。
もちろん、母親の病気というのは子どもにとって不安でたまらないでしょう。でも、いかにもな巨人の襲撃というのもありきたりだし、巨人のビジュアルも平凡。何より、周囲からの救いの手もはねのけてしまうバーバラにみていていらつきました。こんな少女が周りにいたら周囲は大変だろうなあ。両親の死にどう耐え、どう乗り切るかを正面から描いた「若おかみは小学生」をみたあとだと、うーんとしかいいようがありません。
もっとも、子役の演技は迫真にせまっており、マディソン・ウルフの孤独観あふれる悲痛な叫びはたいしたもの。相手役のシドニー・ウェイドは子役時代のクロエ・グレース=モリッツを思い起こさせる存在感がありました。ハリウッドは子役の層が厚いなあと実感させられます。
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