2018年10月31日

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛

 17世紀オランダのチューリップバブルを舞台にした日本では珍しい映画。豪華キャストで歴史メロドラマとして面白いのですが、本国で不入りだったのは残念です。

  作品情報 2017年アメリカ、イギリス映画 監督:ジャスティン・チャドウィック 出演:アリシア・ヴィカンダー、デイン・デハーン、クリストフ・ヴァルツ 上映時間:105分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2018年劇場鑑賞254本目 




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 【ストーリー】
 17世紀のオランダでは珍しいチューリップの球根で家1軒が建つといわれるほど人々はチューリップに熱狂し、バブル状態になっていた。孤児院育ちのソフィア(アリシア・ヴィカンダー)は、裕福な初老の商人コルネリス(クリストフ・ヴァルツ)に買われるように結婚。跡継ぎのほしいコルネリスの夜の要求に辟易としていた。

 夫婦の肖像画を描きにきた若き貧乏医師のヤン(デイン・デハーン)は、ソフィアとたちまち恋に落ちる。駆け落ちを決意した2人だが、先立つものがない。チューリップが咲き誇る孤児院に忍び込んだヤンは、院長(ジュディ・デンチ)に捕まり、逆にチューリップブローカーとして雇われる。一方、ソフィアのメイド、マリア(ホリデイ・グレインジャー)が妊娠した。2人はそのことを利用して奇想天外な作戦を立てる。

 【感想】
 バブルの狂騒というのはいつの時代でも一緒で、今も仮想通貨やFXで人生一発逆転を狙う人たちは、ヤンと同じ発想なのでしょうね。でも、世の中そう簡単にはいきません。金持ちはより金持ちになるのは簡単だけど、貧乏人が金持ちになるのは難しい。本作でも裕福な商人のコルネリスは本業の貿易商の仕事をおろそかにせず、チューリップバブルを冷ややかにみていました。だから、バブルが崩壊しても何の影響もない。しかし、投機にすべてを掛けていた人は悲惨です。

 ただ、コルネリスは妻を彼なりに愛して、いうことは何でも聞いてあげる紳士だったのに、若いイケメンが出てきたからあっさり乗り換えられるというのは哀れですね。人間の大切なものはカネでも優しさでもなく、若さイケメンだということが臆面なく描かれます。正直、ソフィアはひどいし、ヤンもお馬鹿だし、その2人の無茶な計画が無事いくのか、結構はらはらしました。

 また、マリアと彼氏のウィレム(ジャック・オコンネル)の関係がサブストーリーとしてうまくはまっています。同じような階級で、同じような夢をみている2人だから、障害があっても堅実に暮らそうとできるのかもしれません。そこが現実離れしてしまったソフィアたちとは偉い違い。語り部がマリアであるというのもさもありなんです。

 ネットのない時代に取引がどう行われているのかもよくわかりましたし、17世紀のオランダの、喧噪がある港町の様子がいきいきと伝わってくる美術やファッションもすばらしい。そして、ラブシーンを体当たりで演じたヴィカンダー、珍しく紳士役のヴァルツをはじめ、脇役まではまっていたのに、ひっそりと埋もれているのがもったいない作品です。お金と愛、年齢と愛について語ってある貴重な作品なのに。最後のエピソードも好みです。

posted by 映画好きパパ at 19:00 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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