2018年11月08日

こども食堂にて

 子どもたちの居場所として各地でボランティアらが運営するこども食堂が広がっています。ドキュメンタリーテイストで、ここに集まるさまざまな事情を抱えた子どもたちを通して今の社会、家族を描写しています。大上段にふりあげていないだけ、しっとり心の中に入る作品です。

 作品情報 2018年日本映画 監督:佐野翔音 出演:本下はの、平田友子、大地伸永 上映時間:115分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:渋谷アップリンク 2018年劇場鑑賞266本目




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 【ストーリー】
 幼い頃児童虐待を受けてNPOに助けられた千晶(木下はの)は、今は児童福祉司を目指して夜間の大学で学んでいる。NPO代表(水町心音)の紹介で、東京の下町で開かれているこども食堂のボランティアになる。

 寺の住職夫人・根本(平田友子)が運営するこども食堂は週に1回、夜に開かれ、その後はボランティアが勉強を教えていた。こども食堂は貧困世帯だけでなく、母親が夜働いていて晩ご飯が食べられない子どもや児童養護施設に入っている子どもなどさまざまな子どもが訪れていた。

 【感想】
 子ども食堂は各地で開かれていますが、実際がどんなものかを知る機会は関係者でなければないでしょう。本作はあえてドキュメンタリーテイストで描き、俳優にも素の自分を出すような演出をしました。出演者のなかには本職の福祉関係者もいます。こうした効果から、どこかに本当にこうした食堂があるように思えます。

 実は物語は終盤、ある事情を抱えた男子高校生と、千晶自身の家庭環境の話にクローズアップして盛り上げていくのですが、個人的には導入部の子ども食堂にいろいろな家庭の人があらわれ、それぞれがどんな理由で、利用しているのかがわかる部分が一番ぐっときました。物語の主人公という特別な存在でなく、本当に日本のあちこちで困っている人をさりげなく描写する。こうしたことって映画に限らずほとんどの媒体でやっていないために、かえって貧困や社会的養護、そこまでいたらなくても頑張って子育てしている人たちを、見えない者のように隠してるのですよね。だから、本作の導入部こそ、一人でも多くの人に観てもらいたいと思いました。

 もちろん、映画ですからそれなりのストーリーをつくらなければいけません。里親と産みの親の関係、DVを受けた子どもが大人になったらどう向き合わなければならないのか。こうしたことも、木下ら若手出演者の素のようにみえる演技が、かえって重みというものを感じてしまいます。

 もう一つ、食堂を多くの人の善意が支えていると言うこと。下町だからということもありますが、商店街の人たちが野菜やパンを差し入れてくれたり、値引きしてくれたり。先頃、南青山で児童相談所の反対運動が起きましたが、どんなに物質的に豊かでも、心が貧しい人が多い中、まだあだこうした人情が残っているというのはすばらしいこと。そもそも、舞台となる寺自体が、なぜこうした食堂を運営するのかということは考えさせられます。
 
 なお、映画の協賛に「クレディスイス」がでていましたが、外資系の金融機関って社会問題に寄付している印象があるんですよね。やはり寄付文化が根付いているアメリカだからなんでしょうかね。
posted by 映画好きパパ at 07:00 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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