2018年11月24日

アウト&アウト

 90年代テイストの渋い和製ハードボイルド。脚本、設定がしっかりしているうえ、主役、悪役、脇役すべてはまっており、クールな気分になれました。

 作品情報 2018年日本映画 監督:きうちかずひろ 出演:遠藤憲一、白鳥玉季、竹中直人 上映時間:106分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2018年劇場鑑賞283本目




ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

 【ストーリー】
 元暴力団幹部の矢能(遠藤憲一)は今は足を洗って、ある事情で預かっている小学2年生の栞(白鳥玉季)を保護しながら探偵をしている。ある日、依頼人の安田(阿部進之介)の事務所に呼び出された矢能は、安田が死体となっているのを発見。さらに犯人の数馬(岩井拳士朗)から銃に指紋をつけさせられ、警察に通報したら矢能が犯人にされると警告する。

 矢能はなじみの情報屋(竹中直人)や昔の仲間らの協力を得て、事件を捜査する。数馬の背後には空手家の堂島(成瀬正孝)、さらに若手政治家の鶴丸(要潤)がいることを知る。一方、矢能の動きに危機感を強めた数馬は…

 【感想】
 原作者の木内一裕がメガホンを握り、脚本は木内と相棒でしられるハセベバクシンオーの2人とあって、極上のハードボイルドに仕上がっています。矢能が登場する作品は、やはり木内監督が手がけた「鉄と鉛」という20年前の作品があり(僕は未見)、そこで矢能役は成瀬正孝だそうで、オールドファンもにんまりする作品。

 なんといっても遠藤憲一の悪には滅法強く、でも、ませた栞には頭の上がらない硬軟の使い分けがいいのですが、普通の映画では背景など描かれずばっさり削られる悪役の数馬にもスポットをあてて、なぜ彼がヒットマンになったのか、そして、いかにも往年の東映映画のような彼の人間性と、彼が正義と信じる理由をさりげなく描いているのがたまりません。ラストカットも、今時こんなおしゃれな終わり方があるのかと感心しました。

 また、情報屋、矢能に隠れ家を提供する旅館のおかみ(高畑淳子)、まぬけな刑事次三郎(中西学)、そして彼のヤクザ時代の仲間たちをはじめ、矢能に協力する面々の個性的なこと。こういう脇役の隅々まで、血の通ったキャラクターになっている作品は評価が高いです。

 そして、数馬に事情があるように、堂島も鶴丸もほんのきっかけで悪事に手を染めていき、このへんは善悪というのは一筋縄ではいかないということを表しています。けれども、悪事をしてもそれを上塗りするために弱者を犠牲にすると言うのは、矢能がもっとも許せないこと。栞と矢能が相棒になった事情は本作では明かされませんが、栞と暮らすことになったため、矢能の、弱きを守り強きをくじくという正義心に火がついたことは想像にかたくありません。

 また、銃撃戦のシーンなどはわずかですが、格闘アクションを随所に盛り込むし、ヤクザの怖さというのも要所要所でみせつけてくれ、緊迫した場面ははんぱありません。銃撃戦も雑魚を一発で仕留めるなんて凡百なシーンは皆無というのがすばらしい。そのうえ、権力をもつ鶴丸を追い詰めるのには、力だけでなく頭脳も精一杯使い、それまでの伏線がうまっていくのも気持ち良かった。

 本作ではしっかりもので、彼女と矢能の会話だけでも十分楽しめる栞ですが、過去二何があったかは明らかになりませんでした。ぜひ、続編を作っていただき、このメンバーでまたこのハードボイルドな世界にひたってみたいものです。
posted by 映画好きパパ at 06:51 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。