2018年11月26日

 平凡な人間が銃を拾うことで、日常が狂気にむしばまれていく。プロットは阿部寛主演の「凶銃ルガーP08」なんて思いだしましたが、モノクロの画面と村上虹郎のハマリ具合が良く、これまた和製ハードボイルドを堪能できました。

 作品情報 2018年日本映画 監督:武正晴 出演:村上虹郎、広瀬アリス、リリー・フランキー 上映時間:97分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2018年劇場鑑賞284本目



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 【ストーリー】
 大学生の西川トオル(村上虹郎)は河原で男の死体と拳銃をみつける。なぜか拳銃を持ち帰り、アパートで大切に保管するようになった。

 毎日が退屈で合コンで知り合ったセフレ(日南響子)と時間つぶしに会う日々だったトオルだが、銃を持ったことで自分が何者かに変わった気がしてきた。同じ頃、同級生のヨシカワユウコ(広瀬アリス)と、なんとはなしに接近していくトオル。だが、我慢しきれず、病気の黒猫を射殺したあとに、刑事(リリー・フランキー)がトオルのもとにやってくる。

 【感想】
 中村文則の原作は未読ですが、大藪春彦の小説の登場人物のような、頭は良くても周りに溶け込みきれず、日常に焦燥感を覚えている青年を村上が好演しています。実際、勉強もできて、手軽なセフレと美人の同級生の友人がいれば、それだけで人生勝ち組だと思うのだけど、渇望感というのは人によって違うわけですからねえ。

 拳銃という簡単に人を殺めることができる道具をもったことて、トオルは全能感のような高揚にひたっていきます。拳銃が男性器の象徴ともいわれるように、これまでこうした世界と無縁だった男が拳銃を持つことで、荒々しさ、征服感といったオスの衝動というのが強まっていくのでしょう。それが、セフレとの関係にも反映されています。一方で、ヨシカワユウコという、性差はあれ、自分と似たような焦燥感をもっている女性と出会うことで、その衝動が自分のなかで消化しきれなくなる。トオルが孤児院出身というのはテンプレちっくとも思えますが、児童虐待の子供が鬱憤をはらんでいくなど現代社会の問題点も描きたかったのかな。

 銃の怖さ、狂気をしっている刑事は、とぼけた表情ながら、トオルが銃の魔力に飲み込まれないように忠告します。しかし、銃で気が大きくなっただけでなく、自分の心の穴を銃によって埋めているトオルは、どんどん銃にとりこまれていきます。モノクロ映画ならではの緊張感が漂ってきて、クライマックスにむけてどんどん緊張感が高まっていきます。

 広瀬アリスはコメディからシリアスまで、演技がうまいというよりも独自の存在感でみせてくれます。また、「七つまでは神のうち」の美少女だった日南響子が、私生活のトラブルが報じられたとはいえしばらくぶりにみたら、こんなやさぐれた役になっていて驚きました。友情出演で虹郎の本当の父親の村上淳がでていたのはご愛敬でした。
posted by 映画好きパパ at 06:53 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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