2018年11月27日

人魚の眠る家

 科学技術の進歩で生と死はどうなるのかというテーマで、原作小説発表の2015年から3年で科学技術はさらに進み、あと数年後にはこうしたことが現実に起きそうで怖かった。


 作品情報 2018年日本映画 監督:堤幸彦 出演:篠原涼子、西島秀俊、稲垣来泉 上映時間:120分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2018年劇場鑑賞285本目



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 【ストーリー】
 播磨薫子(篠原涼子)は夫の和昌(西島秀俊)の浮気で、夫婦関係は冷え切り、離婚を前提に別居していた。ある日7歳の娘、瑞穂(稲垣来泉)がプールでおぼれ脳死状態になる。

 植物状態の瑞穂に、和昌は部下の研究員星野(坂口健太郎)の画期的な研究を適応しようとする。それは、脳と同じ電気信号を発信して、体を生かすという技術だった…

 【感想】
 人間の死は心臓死と脳死があり、日本の場合は脳死判定をしなければ、心臓死まで法的にはいきていることになります。そこで、脳波のかわりに電気信号で体を動かすというのは果たして生きていることになるのか。ある意味壮大なテーマを、ベストセラー作家・東野圭吾の原作と商業的に売れている堤監督は家族愛という感情移入しやすいものに落とし込んでいきます。

 しかし、今や最先端の研究では人間の感情や記憶ですら、電気信号で再現できるといいます。世界的ベストセラーの「ホモ・デウス」を読むと、そんなSFめいた世界が近い将来起こることがかかれています。だから、瑞穂のように、死んでいるかどうかわからないということが、現実でも起こることはそう遠くないでしょう。そこらへんは、この映画だけみると、あくまでもSFのお話しにとどまっているように思えました。そういう壮大なテーマの作品もみたいのですが、なかなかないですね。僕自身は、法律的には瑞穂が生きているにしても、もう死んでいるだけで、そこに執着する両親が哀れと同時に、ちょっと気持ち悪かった。

 ただ、家族愛の物語としては瑞穂と弟の生人(斎藤汰鷹)、薫子の姪の若葉(荒川梨杏)といった子役の存在がすばらしい。瑞穂が死んだことを受け入れられない薫子を気遣う生人と若葉。特に生人は姉が死んだ認識しているのに、母親にあわせなければならないうえ、母の関心も姉にとられてしまいます。まだ小学生に入学したばかりの生人にとってなんて過酷な現実なのか。さらに、プールに引率していた薫子の母(松坂慶子)ら3世代の感情がよく描かれていました。

 また、家族という意味では星野と婚約者(川栄李奈)の関係も興味深かった。前半はこの2人が、播磨家と離れた家族という意味で、俗世間とつないでいたし、星野がどんどんマッドサイエンスティストになっていく描写も、坂口という薄顔の俳優を起用しているのでかえってよかった。ただ、後半はとってつけたようになったのは残念です。

 ラストはいかにもという感じではありましたが、東野原作の映画のなかでは、かなりできがよく、意欲的な作品でした。この作品をみて、科学技術の進歩が家族にどのように影響を与えるか、考えてみるのもいいかもしれません。

posted by 映画好きパパ at 07:20 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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