作品情報 2017年アメリカ映画 監督:デヴィッド・ロウリー 出演:ケイシー・アフレック、ルーニー・マーラ 上映時間:92分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2018年劇場鑑賞302本目
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【ストーリー】
郊外の一軒家に住むC(ケイシー・アフレック)とM(ルーニー・マーラ)の若夫婦。2人は深く愛し合っていたが、ある日、Cが自動車事故で死んでしまう。Cは幽霊になり、嘆き悲しむMを見守り続けた。やがてMは家を引っ越したがCは家にとどまり続けて……
【感想】
予告編にもあるように、シーツをかぶった小学生が想像するような幽霊の物語。ホラーか、90年代のヒット映画「ゴースト ニューヨークの幻」のような純愛ストーリーかと思いきや、台詞はそぎ落とされるは、嘆き悲しむルーニー・マーラーが床に座ってパイを食べるシーンを長回しで延々撮すは、暗転が妙に長いわで、どうみても異色の作品で、エンタメではなくて映像詩のようなものでした。テレンス・マリックをもう少し、わかりやすくした感じでしょうか。
正直、最初はとまどい、かつ冷ややかにみていましたが、だんだん、好き放題するデヴィッド・ロウリー監督がどこへ行くのかワクワクしてきます。Mがでたあと、隣の空き屋にもなぜかシーツをかぶった幽霊が居て、Cとの間で、意思の疎通をします。そのやりとりが何ともほほえましい。
さらに、Mのあとに越してきたのがシングルマザーと幼い兄妹の家族なのですが、3人が仲むつまじくしていると、Cは嫉妬を起こしたのか、ポルターガイスト現象を起こして、脅かします。そんな社会の弱者のヒスパニック母子なのに、恵まれた白人の幽霊がいじめるなんてひどいと思えますが、その嫉妬ぶりが何とも人間らしくて笑ってしまいます。ヒスパニック母子のセリフに字幕がつかないので、スペイン語が分からない僕にとっては余計、Cの子供っぽい意地悪さに苦笑してしまいます。
その後も、ストーリーは予想もつかないほうにどんどん転がっていき、後半になってもこちらの予想を覆してばかり。そして、ラストは、賛否両論あるでしょうけど、僕は思わず拍手したくなるような潔さでした。ホラー映画を期待していたら肩すかしでしょうけど、たまにはこうしたひねりまくった作品も楽しいです。美術や音楽もよかったですしね。
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