2018年12月25日

メアリーの総て

 「フランケンシュタイン」の作者で19世紀の女流作家、メアリー・シェリー夫人の、夫との出会いから、仲違い、執筆までを描いた伝記映画。こんな裏事情があったとは知らなかったけど、不倫女性が平然としているのは生理的に好みが無いし、平板な作りなのでイマイチはいりきれませんですた。

 作品情報 2017年イギリス、ルクセンブルグ、アメリカ映画 監督:ハイファ・アル=マンスール 出演:エル・ファニング、ダグラス・ブース、ベル・パウリー 上映時間:121分 評価★★★(五段階) 観賞場所:新宿シネマカリテ 2018年劇場鑑賞316本目



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 【ストーリー】
 19世紀、16歳の少女メアリー・ゴドウィン(エル・ファニング)は、義母(ジョアンナ・フロゴット)と折り合いがつかず、父親のウィリアム(スティーヴン・ディレイン)のつてでスコットランドのバクスター家に預けられる。そこで、詩人のハーパー・シェリー(ダグラス・ブース)と知り合う。美男子で知的なシェリーに、メアリーはすぐに夢中になった。

 メアリーがロンドンに戻ったのを追いかけるようにシェリーもロンドンに現れ、高名な思想家だが貧しい生活をしているウィリアムの弟子となる。メアリーとシェリーは恋に陥るが、シェリーは妻子がいた。両親に交際を反対されたメアリーは、自分にあこがれる義妹のクレア(ベル・パウリー)とともに、シェリーの家に転がり込む。だが、スキャンダルによってシェリーは勘当されたうえ、好き勝手な生活をしているため家計は火の車。娘が生まれたものの、借金取りに追われて…

 【感想】
 フランケンシュタインというと、怪物くんにでてくるような愚鈍な巨人の怪物を思い起こすかもしれませんが、実はフランケンシュタインを生み出した科学者の名前で、怪物ではないのです。それを読まないと、本作のおもしろさは実感できないでしょう。僕も子供の頃に、少年向けのを読んだだけなので、改めて読み返したくなりました。

 バイロン卿(トム・スターリッジ)のスイスの別荘で行われた晩餐会で競作の話がでて、メアリーの見た悪夢から、フランケンシュタインの、怪物の孤独さとは、実はメアリーが結婚後に味わった孤独さであるとはしりませんでした。さらに、シェリーもバイロンも、上流階級の男らしく、ハンサムで知的なことをいいますが、生活能力ゼロで、ナルシストだということもびっくり。

 クレアはバイロン卿の私生児を産むし、メアリーはシェリーの愛が信じられません。メアリーは父が自由恋愛の提唱者だったこともあり、既婚者だろうと愛することに抵抗はありませんでした。しかし、自分が奪われる方になると、恐ろしいほどの孤独に襲われます。個人的には、いくら若い(出産したのは18歳)とはいえ、不倫して男を奪ったから罰があたったように思えて、それほど同情できませんでした。けれども、創作と夫との愛のはざまで苦しむ彼女の姿をみると、芸術家の困難さがいくばくかわかったかもしれません。

ハイファ・アル=マンスールはサウジアラビア出身の女性作家で、「少女は自転車にのって」は男女差別に苦しむサウジの少女の実情を描いた秀作でした。本作では慣習、風土だけでなく、愛や身勝手に苦しむ女性の姿を描いています。このへんになると女性でないと実感はわかないのかなあ。若い女性の小説を出版することの困難さというところまでは理解できたのだけど、男女の愛は僕には難しすぎたかも。
posted by 映画好きパパ at 07:47 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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