2018年12月26日

真っ赤な星

 ストーリーでなくて心で感じる作品って、自分にとっての当たり外れが激しいのだけど、本作はヌードもないのに、とにかくすごくエロチシズムを感じてしまいました。なんか筋はたいしたことないのに、空虚な心の穴にすぽんと入ってきます。

  作品情報 2018年日本映画 監督:井樫彩 出演:小松未来、桜井ユキ、毎熊克哉 上映時間:101分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:テアトル新宿 2018年劇場鑑賞317本目




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 【ストーリー】
 家にも学校にも居場所がない14歳の少女陽(小松未来)は、かつて入院していた病院で仲良くしていた看護師の弥生(桜井ユキ)と思いがけない場所で再会する。弥生は看護師を辞めており、身を持ち崩していて、自動車で春を売って生活していた。

 一方、陽はシングルマザーの母親(西山真来)の愛人(小林竜樹)から性的虐待を受け、家を飛び出す。行き場のない陽は未来のアパートに転がり込むのだった。こうして、2人の先行きの見えない生活が始まった。
 【感想】
 弱冠23歳の井樫彩監督のデビュー長編。すごい才能の持ち主がでてきたものです。先行きが見えない、貧困のなかで生きる同世代の若者の生と性を見事に描いています。そして、女性たちのとりかたが実になまめかしく、女性監督ならではだからでしょうか。じっとりとなめつくすエロチシズムと、一種の神々しさのような美しさが併存しているのは見事です。とにかく、虚飾を取り払った生身のオンナというものがでており、成熟した弥生と、まだ熟していない未来の対比も素晴らしい。

 一方、出てくる男はクズばかり。DVは論外ですが、弥生の彼氏、賢吾(毎熊克哉)は、不倫をしているくせに、ええ格好していますし、女性をカネで買って独占欲をみせびらかす田淵(菊沢将憲)とか、とにかく、性にだらしなく、それでいてプライドだけは高い男の醜さがこれでもかとでてきます。唯一、陽を思う同級生の大祐(大原由暉)は優しい少年ですが、子供
ということもあり、何の力もありません。未来が一足先に大人への階段を上ろうとしているのに比べると、優しいだけで無力な男の子のなんと弱々しいことか。

 さらに、太陽の光や青々とした田園風景、プラネタリウムの無機質な感じなど、背景のショットもすばらしい。パラグライダーのシーンは印象的ですし、地方都市の寂れた閉塞的な風景描写もおみごと。こういうところから、まず心に突き刺さってきて、考えるより、感じる作品だということを分からせてくれるのですよね。

 脚本的には、未来がどうやっていろいろなところにいけるのかと、あれ?と思わせる部分もありましたが、まあ、細かな整合性を突っ込むのはヤボというものでしょう。弥生と陽の不安定な関係も一種ゾクゾクするところもあり、スクリーンでこういう世界にひたれるというのは、映画の醍醐味といったところでしょうか。

posted by 映画好きパパ at 05:45 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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