2019年01月29日

ジュリアン

 面前DVによる児童虐待をBGMもなしで、淡々と描く手法が、観ていて吐き気がするくらいおぞましかった。でも、今も世界のどこかで苦しんでいる母子がいるのでしょうね。

 作品情報 2017年フランス映画 監督:グザヴィエ・ルグラン 出演:トマ・ジオリア、ドゥニ・メノーシェ、レア・ドリュッケール 上映時間:93分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2018年劇場鑑賞23本目 



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 【ストーリー】
 両親が離婚し、母親(レア・ドリュッケール)と暮らす11歳の少年ジュリアン(トマ・ジオリア)。離婚の原因は父(ドゥニ・メノーシェ)が母に暴力をふるうためで、ジュリアンも母も二度と父親に会いたくなかった。そのため、転居先も隠してひっそりと暮らしていた。

 しかし、裁判所の命令で隔週、父親のもとで過ごさなければならなくなったジュリアン。父親は、母親の居場所を突き止めようと、ジュリアンにしつこく聞いて回る。どんなに脅されてもジュリアンは必死で母を守ろうとするのだが…

 【感想】
 粗暴な夫の家庭内暴力にだれも手助けしてくれない恐怖。夫は同僚からは良き仕事人とみられているそうで、最初はおとなしいけれど、すぐキレて、辺り構わず手を出してしまう。フランス映画だけど日本でもそんな人はいます。こういう連中はさっさと刑務所に送って欲しいのですが、現行犯でないと難しい。本作では冒頭、ジュリアンとの面会を許すか裁判所の調停の場面から始まりますが、被害者が被害を訴えても証拠がないとあしらわれてしまいます。

 そして、面会が許された後、元妻との復縁を狙うため、執拗に居所を探ろうとします。ジュリアンは一生懸命噓をついたり、逃げ出したりしますが、11歳の少年では大人の暴力の前ではまったく手も足も出ません。ジュリアンがいいわけすればするほど、悪い方向に転がっていく様子はみていて胃が痛くなりそうでした。

 あまりの暴力具合に実の両親(ジュリアンの祖父母)からも、追い出されてしまう父親。その恨みもあるのでしょうが、ジュリアンや元妻へのストーキング、脅迫はどんどんエスカレートしていきます。孤独に陥ったのは自業自得なのに、ただ腕力があるから周囲を従わせようとする。その様子は醜悪の一言です。

 そして、事態が悪化していく中、戦慄のクライマックス。ジュリアンの泣き叫ぶ様子は、映画ではなく、トマ・ジオリア本人にトラウマになるのではと思わせるほど、迫真の演技でした。父親がクズなだけでなく、母親も鈍感なところがありますが、それがかえってごく普通の家庭で起きても不思議ではないと実感させられました。
posted by 映画好きパパ at 07:32 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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