2019年02月05日

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー

 「ライ麦畑でつかまえて」でしられる世界的文豪サリンジャーの伝記映画。中盤までは良かったのですが、後半、駆け足で失速した感じは否めません。

 作品情報 2017年アメリカ映画 監督:ダニー・ストロング 出演:ニコラス・ホルト、ケヴィン・スペイシー、ゾーイ・ドゥイッチ 上映時間:106分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2018年劇場鑑賞30本目 



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 【ストーリー】
 1939年ニューヨーク。作家志望のサリンジャー(ニコラス・ホルト)は、コロンビア大学で著名な文芸評論家で、ストーリー誌編集長のウィット・バーネット(ケヴィン・スペイシー)の指導を受け、ストーリー誌で作家デビュー。さらに、著名な作家の娘ウーナ・オニール(ゾーイ・ドゥイッチ)と恋に落ち、幸せの絶頂だった。

 だが、第二次大戦の勃発ですべてがかわった。出征中にウーナはチャップリンと結婚してしまう。さらに、激しい戦闘の連続に、創作意欲を失ってしまう。終戦後、廃人のようになってアメリカに戻ったサリンジャーだが…

 【感想】
 「ライ麦畑でつかまえて」は昔読んだことがありますが、すっかり忘れてしまいました。とはいえ、20世紀を代表する作品であり、そのヒット後は人嫌いとなって隠遁生活を送っていたことは知っていました。でも、戦争で心に傷を負ったことはまったくしらず、終戦後までは、興味深く見てました。ダニー・ストロング監督の、短いカットをつなぐ演出も興味ぶかかった。

 戦前の野心的で魅力的な若者が、戦争で文字通り身も心もぼろぼろになっていく様子はみていてつらかった。けれども、家族や恩師のウィット、エージェントのドロシー・オールディング(サラ・ポールソン)ら、周囲が彼のことを思っていることがよくわかりました。

 しかし、ヒット後になると、結局なんでサリンジャーが、周囲からの手をはねのけ、仏教に傾倒し、さらに家族をも捨てて隠遁生活になったのかというのが、駆け足でわかりにくかった。もちろん、ストーカー的なファンにつきまとわれたり、信頼していた地元の高校生に裏切られたりといった人間嫌いになるエピソードが盛り込まれていたけど、もう少しじっくり描いて欲しかったなあ。

 そういう意味ではニコラス・ホルトは戦前のシーンではよく会っていたけど、後半になると、ちょっと感情がわかりにくいというか、単に人嫌いの天才だったというだけに収斂しちゃった気がします。伝記映画なので事実かは分からないけれど、やはり上映時間を伸ばして、晩年をしっかり描いて欲しかったかな。
posted by 映画好きパパ at 07:39 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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