2019年02月23日

サスペリア

 1970年代の大ヒットホラー映画のリメイクなんですが、中盤から完全に別物とかしているし、ホラーとしての怖さはあまりないので、オリジナルファンからは不評みたい。でも、アーティスティックで政治や愛などいろんな要素を膨らましているので、僕好みの作品です。

 作品情報 2019年イタリア、アメリカ映画 監督:ルカ・グァダニーノ 出演:ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントン、クロエ・グレース・モレッツ 上映時間:152分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ上大岡 2018年劇場鑑賞50本目 




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 【ストーリー】
 1977年ベルリン。世界的な舞踊団、「マルコス・ダンス・カンパニー」のオーディションを受けにアメリカの田舎町からやってきたスージー(ダコタ・ジョンソン)は、団を仕切るマダム・ブラン(ティルダ・スウィントン)に踊りを認められ入団を許される。女性ばかりの団員は、古びた建物で共同生活を送っていた。

 だが、団では主力ダンサーのパトリシア(クロエ・グレース・モレッツ)が失踪するなど不気味な事件が続いていた。パトリシアは老精神科医のクレンペラー博士(ルッツ・エバースドルフ)のカウンセリングを受けており、舞踊団が魔女の巣窟だとする日記を残していた。

 【感想】
 オリジナルは昔観た記憶がかすかに残っています。冒頭、雨の中タクシーに乗り込むシーンや、美少女が次々と不幸な最後を遂げるところ。本作は冒頭は地味なカウンセリングシーンですし、ダコタ・ジョンソンにしろクロエ・グレース・モレッツにしろ、美少女というよりはごつい感じ。しかもなかなか人が死にませんので、ホラーとしてみるのならば、期待外れでしょう。本作を駄作と批判する人がいるのも無理はありません。

 しかし、東西対立を背景に陰鬱で雨の多いベルリンの町を表すような暗い色彩、舞踊の採点での赤い紐と白いペイントの派手なメイクといった独特の色彩美はたまりません。さらに、スージーの話、パトリシアの話、団員で2人の親友のサラ(ミア・ゴス)の話、そして、戦時中に妻が行方不明となったことがトラウマとなっているクレンペラーの話と、各登場人物の話が前触れもなく混在して、みているこちらを混乱させてしまいます。

 そのうえ、ブランをはじめとする学院側のオカルトチックな動きも、これまた入っていくるのですから、1回みただけで全部をわかるのは不可能と思えるほど情報量が多い。特に後半になると加速度的に転がっていく展開で、クライマックスのサバトのシーンは、昨年末に話題となった某ホラー映画と似たような話ですが、白塗りを失笑してしまったその作品とは違って、コンテンポラリーダンスと狂ったような色彩、そして、終わってみれば、なるほどと思わせる納得のストーリーにうっとりとしました。

 時代的にも1977年というのはドイツは赤軍派などがテロを起こす一方、大戦中のナチスの傷跡も残っているわけです。これを巧い具合に物語りに取り込み、学園内での対立が、現実での対立の相似形のようなかたちに思えました。こういう脚本もうまい。解釈の余地がわかれるエンドロール後のカットもふくめて、ああでもないこうでもないと観客に想像できるし、ネットでいろんな人の解釈を読めて、お得な感じです。

 オリジナルのジェシカ・ハーパーが、重要な役ででていたほか、「ブリキの太鼓」のアンゲラ・ヴィンクラー、「ぼくの小さな恋人たち」のイングリット・カーフェンといった往年のドイツの名女優たちが、学園の教師役ででているのも興味深い。ホラーファンというよりも、ヨーロッパ映画好きの人が気に入るのかもしれません。
posted by 映画好きパパ at 07:23 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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