2019年03月31日

ビリーブ 未来への大逆転

 1970年代、アメリカで性差別を認める法律は違憲だという訴訟に勝訴したルース・ギンズバーグの伝記映画。アメリカですら当時はこんなに性差別が当たり前だったのかというのは改めて驚きます。

 作品情報 2018年アメリカ映画 監督:ミミ・レダー 出演:フェリシティ・ジョーンズ、アーミー・ハマー、キャシー・ベイツ 上映時間:120分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2019年劇場鑑賞87本目



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 【ストーリー】
 1950年代、ハーバード大学ロースクールに入学したルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)だが、女子学生はごくわずか。学内には女子トイレもなく、教授からもセクハラ、パワハラめいたことをされるなか、優秀な成績で卒業する。しかし、彼女を雇ってくれる弁護士事務所はなく、大学で教職につくことになる。

 学生結婚した夫のマーティン(アーミー・ハマー)はそんな彼女を支え、家事にも協力していた。ルースは男女が法律上で不平等な扱いになっていることに疑問を持つ。例えば、陪審員は男性ばかり、あるいは法律で女性がパイロットになることに禁じられるなど数百もの法が男女差別を容認していた。これまで、違憲訴訟は何件も起きていたが、いずれも性差別容認を認めるものだった。マーティンと喧嘩したルースは、彼からある訴訟記録をみせられる。それは男性が介護した場合、税控除が認められないというものだった。男性が差別されている訴訟なら勝てるかもしれないと訴訟に取り組んだ彼女だったが…

 【感想】
 ハーバードに入学したルースや数人の女子学生は学部長(サム・ウォーターストン)からディナーに招かれて、そこでねちねちと、なぜロースクールに入学したか聞き出されます。今だったらセクハラなんですけど、ハーバードの法学部長という法律の権威すらそれが当然と思ったのですね。学部長は後半で司法省訴務長官に転身して、ルースと相対することになりますが、彼にとどまらず法曹界全体が女性差別が当然だったのです。

 そんななか、夫のマーティンは当時としては珍しくルースを応援する立場でした。育児や料理は妻よりも得意。それでいて大手弁護士事務所のホープとして仕事にも邁進していきます。大学教授として法理論を教えているけど法廷にたったことのないルースにとって、裁判でのアドバイザーでもあり、理想の夫婦関係といえましょう。

 さて、介護は既婚女性がするものという常識だった当時のアメリカでは独身の中年男性が母親を介護しても税控除の対象外でした。実は日本でもシングルマザーには遺族年金がでていたのにシングルファザーにはでていなかったということが、数年前まで起きていました。まさに法律が男女差別をしているもので、他人事とは思えません。ついでにいえば税金のありかたで国が国民をどうみているかわかる、といったフレーズがありましたが、逆累進性の高い消費増税に狂奔する日本は、貧しい庶民のことを考えていないことがよくわかります。

 女性の社会進出に法律があわなくなっているのなら、法律のおかしさをただせばいい。当たり前だけど、これまで積み重なった判例や、それを決めている男社会の論理にルースは押しつぶされそうにもなります。しかし、法律家としても一流なうえ、家族や何より社会の追い風もありルースは敢然と立ち向かいます。

 ビリーブというタイトル通り、未来を信じて戦う姿は男女問わず美しい。久々のミミ・レダー監督は物語を手際よくまとめ、フェリシティ・ジョーンズの好演もあいまり、爽やかな社会派作品に仕上がっています。
posted by 映画好きパパ at 08:10 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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