2019年04月01日

ブラック・クランズマン


 黒人映画の第一人者、スパイク・リー監督らしい人種差別をテーマにした怪作。予告ではコメディよりだったけど、最後の現実社会での出来事のオンパレードに気分がどよーんとなります。

  作品情報 2018年アメリカ映画 監督:スパイク・リー 出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、アダム・ドライヴァー、ローラ・ハリアー 上映時間:128分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2019年劇場鑑賞88本目




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 【ストーリー】
 1970年代初頭、コロラドスプリングスの警察に初めて採用された黒人のロン(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、警察署内でも資料係に回され、差別的な警官に嫌がらせをうける。だがロンは新聞に白人至上主義の秘密結社、KKKの広告がのっていたことから、白人のふりをして電話をして、接触に成功する。

 黒人がKKKにいくわけにいかず、同僚の白人刑事フリップ(アダム・ドライヴァー)がロンの代わりにKKKの支部を訪れる。そして、電話ではロン、実際に動くのはフリップという2人1役の潜入捜査が始まった。

 【感想】
 冒頭、映画「風とともに去りぬ」の南北戦争のシーンからはじまります。そして、アメリカで100年前に大ヒットした映画「国民の創生」の上映シーンもながれます。「国民の創生」では黒人は人間扱いされていませんし、風とともに去りぬも南部連合軍が英雄として画かれています。スパイク・リーとしては絶対に許さないのでしょう。

 その怒りは映画の最後に爆発します。トランプ政権になってからやまない人種差別の数々のニュース映像が流れます。映画でもKKK幹部として登場したデビッド・デューク(トファー・グレイス)が、リアルに現代でも活躍してトランプを支持しているというのには驚きました。100年前、50年前、そして現代。変わらぬ差別にあらがうスパイク・リー。同じ黒人差別を扱った「グリーンブック」が古い時代の話で現代につながっていないハートフルな話になっていることに、リー監督が怒ったというのも納得できます。

 物語の方は、どこまで実話かわかりませんが、ギャグとシリアス双方に振り切れておらず、歯がゆいような部分もあるし、突っ込みどころもあるでしょう。またブラックパンサーにシンパを抱く大学の女性自治会長パトリス(ローラ・ハリアー)との恋愛も、いろいろ突っ込みたくなります。しかし、リー監督はそれもわかったうえで、いろいろなもやもやもあるのがリアルな世界と伝えている気がします。

 KKKの面々はいかにもプアホワイトで、人種差別にどっぷりつかっていて、潜入捜査にひっかかる愚かものというのも、いかにもな話です。特に女性も黒人を殺害しようとするというのは、軽くショックだったかも。プアホワイトそのものが品性下劣というふうに描くのは、リー監督からすればこれまで黒人がうけてきた差別からすれば当然というものかもしれませんが。「アイ・トーニャ」でもデブでダメ白人を強烈に印象づけたポール・ウォルター・ハウザーが、ここでもすさまじい演技をみせ、思わず失笑しました。

 日本では黒人差別今年もアカデミー賞候補に黒人差別を暑かった作品が何本もでているのをみると、トランプ政権へのカウンターであり、映画という総合芸術作品は、政治的、思想的な立ち位置にならざるをえないのかもしれません。
posted by 映画好きパパ at 07:35 | Comment(2) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この映画を観る前は、
何でアカデミー作品賞を『グリーンブック』が獲ったのを
スパイク・リーが怒って会場を去ったのか理解できませんでしたが、
ようやく解った気がします。
白人側から観た黒人差別と、
黒人側から観たソレとでは
雲泥の差が今も存在するって事ですね。
Posted by 西京極 紫 at 2019年04月01日 20:57
この映画のラストは衝撃的でした。
今でも黒人差別が続いているわけですから。
「グリーンブック」がおとぎ話のようになっているのと
好対照です。
グリーンブックもよい作品だと思うけれど、黒人の怒りは
もっともだと
Posted by 映画好きパパ at 2019年04月01日 22:56
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