2019年04月22日

多十郎殉愛記

 ベテラン中島貞夫監督の20年ぶり新作。ストーリーは昭和っぽく、正直、古くさいのですが、殺陣を工夫しているのと主役2人のたたずまいはなかなかのものでした。

 作品情報 2019年日本映画 監督:中島貞夫 出演:高良健吾、多部未華子、永瀬正敏 上映時間:93分 評価★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイプリンス品川 2019年劇場鑑賞105本目



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 【ストーリー】
 幕末の京都。長州藩一の剣の使い手といわれた清川多十郎(高良健吾)は、桂小五郎(永瀬正敏)らと脱藩したものの、政治には興味が無く、場末の居酒屋の用心棒をして、日々を無為に暮らしていた。居酒屋の若女将おとよ(多部未華子)はそんな多十郎がはがゆくてならない。

 ある晩、岡っ引きに嫌がらせされたおとよを助けた多十郎はそれがもとで京都奉行所から目を付けられる。たまたま、長州から義弟の数馬(木村了)が多十郎の家を訪れたところを捕り方に襲われ、目を切られて失明した数馬を連れて捕り方を倒した多十郎は奉行所から追われる身になる。京都見廻組の溝口(寺島進)率いる追っ手が迫るなか、おとよと数馬を逃すため一人立ち向かう多十郎だったが…

 【感想】
 今時珍しい、なんの裏表のないストーリー。シンプルと評価するか、飽き足りないかは観客によって違うでしょうが、僕自身は単純なストーリーでもいいけれど、多十郎とおとよとの絡みをもうちょっと丁寧に描けばいいのに、とは思いました。上映時間が短い割には主筋と関係ない、桂たちを見回組が襲うシーンや、突然でてくる荒れ寺の坊主(栗塚旭)とその妻(山本千尋)がでてきたりして、このへんもあと少し説明すればいいのにと惜しかったです。

 ただ、高良健吾と多部未華子のコンビはすこぶるいい。無為だと自嘲しながらもささやかな幸せに恵まれそうだった多十郎が、自分の予期しないところで修羅の道へ落ちていく。そして傷だらけになりながらも愛するもののために剣をふるう。そういった役柄にドはまりしています。なによりはにかんだ笑顔と敵と向かい合うときの修羅のような目力のギャップがたまりません。多部もいつのまにかこんなに色っぽくなったのか、どきっとするほどの妖艶さと、多十郎への世話焼き女房ぶりのギャップがこれまた見事。この2人の演技をみるだけでもいい。

 さらに、アクションも単なる時代劇ではなく、よりリアルなものを狙ったのか、一刀のもとに切り捨てるシーンは少なく、なかなか相手にあてられず、あたっても深手にはいたらないといったところや、大勢の捕り方が多十郎の強さにびびったりするなど、テンポも付けて工夫していました。血がでないというのはリアルではありませんが、伝統的なチャンバラを受け継いだと考えれば、中島監督の考えも理解できます。

 さらに福本清三、峰蘭太郎といった東映時代劇でおなじみの俳優がたくさん出ていて、往年の時代劇ファンにはうれしいところ。アクション時代劇がテレビでもなかなか見られない現在、少しでもヒットしてほしいけど、劇場内はがらがらでちょっと寂しい気もしました。
posted by 映画好きパパ at 07:30 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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