2019年04月23日

マローボーン家の掟

 すごく恐く、すこく切なく、すごく美しいラブストーリー。やっぱりスペインのホラーは上質ですね。予告編すらみないで観に行くことをお勧めします。

 作品情報 2017年スペイン、アメリカ映画 監督:セルヒオ・G・サンチェス 出演:ジョージ・マッケイ、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・ヒートン 上映時間:110分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイプリンス品川 2019年劇場鑑賞106本目



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 【ストーリー】
 1969年、アメリカ、メイン州の人里離れた荒野にある古い屋敷にマローボーン家のローズ(ニコラ・ハリソン)と4人の子ども達が引っ越してきた。一家はイギリスでの忌まわしい記憶を断ち切るため、世間からひっそり暮らそうとしていた。

 近隣の農場の娘、アリー(アニャ・テイラー=ジョイ)と仲良くなった子ども達は幸せな日々を暮らしていた。だが、ローズがまもなく病気でこの世を去り、長男のジャック(ジョージ・マッケイ)が弟のビリー(チャーリー・ヒートン)、妹のジェーン(ミア・ゴス)、それに幼い弟のサム(マシュー・スタッグ)の面倒を見なければならなくなった。そんなある日、思いがけない惨事が起こる…

 【感想】
 ネタバレにならざるをえないので、未見の人はとばしてください。

 ほとんど予備知識なしで観に行ったので、マローボーン家がなぜ人目を避けて暮らさなければならないのかわかりませんでした。タイトルの「掟」についても、後で公式サイトで確認して理解したほど。

 さて、最年長のジョージは20歳ですが、弟や妹は学校にいかず、アリー以外の人間と付き合おうとしません。ジョージも最低限の物資を自転車で町に買い出しにいく以外は、外出をしませんでした。なにかに怯えたようなマローボーン一家が、やさしいアリーの存在もあり、つかの間の平和を楽しむ姿はなんともほほえましい。アメリカの田舎が舞台なのに、どこかスペイン映画っぽい乾いた感じも楽しめます。それがローズの死亡、さらに恐ろしい事件で一変します。

 ジャックが21歳になるまで、ローズが死んだことがばれたら子ども達はバラバラに養護施設でいれられてしまいます。それだから彼らがひっそりと暮らすのはわかるのだけど、古い屋敷は不穏な空気に包まれます。なぜか鏡をいやがる子どもたち。そして、次々と起きる怪事件。この中盤、何が原因かわからないけどBGMでも脅かすうえ、純真無垢なサムに恐怖が降りかかるシーンでは、こちらも恐くてたまりませんでした。ホラー映画は割と笑ってみられるほうですが、やはり幼い少年少女が襲われるシーンをあおるように撮るのは苦手かも。

 そして終盤、終わってみれば結構ありがちな話になりますが、それが全然苦にならず、むしろ作品の質を高めたのが、ラブストーリーの部分です。もちろん男女のラブストーリーもありますが、家族の絆、幼いきょうだいを守ろうとする兄の決意は胸にこみあげるものがありました。世界が敵に回っても、きょうだいが一丸となって助け合う、その純真さがたまりません。

 監督はスペインホラーの名作「永遠のこどもたち」の脚本家ですが、あの手のホラーが好きな人はたまらないでしょう。BGMが恐怖をあおるようなのは好みがわかれるでしょうけど、ライティングが見事で、明るい日差しの海辺と、深夜、真っ暗な古屋敷との対比がまたすごい。出演者もこれからのアメリカ映画界を支えていくだろうフレッシュな若手がそろってます。
posted by 映画好きパパ at 07:29 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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