2019年04月24日

魂のゆくえ

 アメリカではキリスト教の問題点をえぐったと評判なのですが、そういうコンテクストを共有していないと今ひとつ。特に、終盤の牧師の心理が今ひとつ納得できないなあ。

  作品情報 2017年アメリカ映画 監督:ポール・シュレイダー 出演:イーサン・ホーク、アマンダ・セイフライド、フィリップ・エッティンガー 上映時間:113分 評価★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 2019年劇場鑑賞107本目




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 【ストーリー】
 アメリカ東部の歴史はあるが小さな教会の牧師、トラー(イーサン・ホーク)のもとに、メアリー(アマンダ・セイフライド)という女性信者がやってきた。メアリーは妊娠したのだが、狂信的な環境活動家の夫マイケル(フィリップ・エッティンガー)が、地球温暖化で滅びようとする地球に新しい命が生まれるのは良くないと堕胎を迫ったのだ。

 イラク戦争で息子を失った過去のあるトラーは、マイケルに子どもを失う親のつらさや神の御心について説く。教会の250年式典が迫ってきた。だが、教会の本部に環境破壊で問題となっている巨大企業が多額の献金をして、250年式典でもその企業を称えるように支持される…。

 【感想】
 日本にいると、宗教団体にもいかがわしいところがあり、有名な仏閣の人がカネを巡って殺人事件を犯したり、愛人騒動が週刊誌に載ったりしています。一方、アメリカでは多くの人がキリスト教を信じ切っており、教会はコミュニティーの中心なわけです。その教会の不祥事を暴くのがいかに大変かは、何年か前にアカデミー賞になった「スポットライト 世紀のスクープ」でも描かれていました。

 本作に出てくる教会の場合は、違法行為をしているわけではなく、問題企業から献金を受けているだけです。それでも、聖書で大地をまもるよう言っている以上、環境破壊企業からの献金はいかがなものなのか。その是非を真剣に問う映画が話題を呼んでいるというのは、アメリカの宗教問題の根深さなのでしょう。特にトラーは息子を亡くして妻に離婚され、孤独の中で必死に信仰にすがろうとしています。そして、あくまでも誠実に神にも、信者にも向き合おうとしている。

 だから、トラーの苦悩が観客にも伝わってくるのだけど、マイケルの地球破滅論がいかにもという感じで、それに振り回されるところが今ひとつぴんときません。そして、トラーの精神がだんだん壊れていくのは、シュレーダー監督が脚本を手がけた「タクシー・ドライバー」を彷彿とさせるのかもしれませんが、僕にはよくわかりませんでした。殉教について、キリスト教徒の考えというのは、異教徒はちょっと違うのでしょうかね。

 イーサン・ホークの壊れぷりはなかなかのものですが、アマンダ・セイフライドの妖艶な人妻もまたいいですね。ストーリーからすればメアリーは聖女みたいなものなのでしょうけど、アマンダが演じることで、むしろサロメのような存在ではとうがってしまいました。
posted by 映画好きパパ at 06:45 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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