2019年05月14日

ドント・ウォーリー

 車椅子の風刺漫画家、ジョン・キャラハンの実話の映画化。ガス・ヴァン・サント監督らしく、ベタな感動はさせずに、乾いた突き放したタッチのため、予告編をみて泣ける映画だと思ったら肩すかしかも。

 作品情報 2018年アメリカ映画 監督:ガス・ヴァン・サント 出演:ホアキン・フェニックス、ジョナ・ヒル、ルーニー・マーラ 上映時間:115分 評価★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 2019年劇場鑑賞127本目



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 【ストーリー】
 1970年代、アルコール依存症のジョン・キャラハン(ホアキン・フェニックス)は、その日知り合った酔っ払いのデクスター(ジャック・ブラック)の車に乗っているときに事故に遭い、下半身不随となってしまう。

 自暴自棄になったキャラハンだが、ボランティアのアヌー(ルーニー・マーラ)、断酒会の会長ドニー(ジョナ・ヒル)、ヘルパーのティム(トニー・グリーンハンド)ら周囲の支えもあり、徐々に自分を取り戻し、夢だった漫画家への道を歩き出す。

 【感想】
 序盤は時系列が4段階ぐらいあって、それが平行に流れるため、この手の映画になれていないと頭が混乱しそう。事故に遭う前後のキャラハン、断酒会に入ったばかりのキャラハン、断酒が継続したときのキャラハン、そして、予告編でもある車椅子が転倒したときに子ども達が助けてくれるときのキャラハン。

 時系列にしないことで、アルコール依存症や事故の悲惨さをくっきりと表します。さらに断酒会で心身ともに支えたドニー、半身不随となっても夜の営みに協力するアヌーら、キャラハンの周りには彼を慕ってくれる人が多い幸運さと、キャラハンの率直な人柄が表されます。

 アルコール依存症は病気なんでしょうが、世間からの偏見も強い。そんななか、ほかの人とつながることの大切さ、そして、漫画家になるという夢をもつことの大切さが浮き彫りになります。しかし、それを全面にうちださないというのは、ベタな作品は作りたくないという矜持なのでしょうか。

 そもそもアヌーのキャラクターも深く描かれていなかったし、なんか、もやっとしたまま、事故で車椅子生活は大変だな、でも、周囲にいい人が多いな、で住んでしまいます。それこそ、邦画の「パーフェクトワールド」のほうが、まだ、車椅子利用者の大変さを描いていたような。それでも、本作は決して浅いものではなく、飄々と悲劇をえがくがゆえに、こうした手法が好きな人はトリコになるでしょうね。
posted by 映画好きパパ at 07:13 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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