2019年05月24日

初恋〜お父さん、チビがいなくなりました

 長年連れ添った夫婦の熟年離婚の危機を通じて、家族の絆を描いているもの。ただ、ぼくのようなおじさんがみても、夫側の亭主関白ぶりははんぱなく、時代の差を感じます。

 作品情報 2018年日本映画 監督:小林聖太郎 出演:倍賞千恵子、藤竜也、市川実日子 上映時間:105分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイプリンス品川 2019年劇場鑑賞136本目




ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
 【ストーリー】
 結婚50年になる有喜子(倍賞千恵子)と勝(藤竜也)夫婦だが、無愛想で自分勝手な勝は相手をしてくれず、話し相手は老ネコのクロだけ。こんな生活に有喜子は疲れてしまい、娘の菜穗子(市川実日子)に「お父さんと分かれたい」と愚痴をこぼしてしまう。

 そんなある日、クロが行方不明になった。事故にでもあったのかと必死に探す有喜子とは裏腹に、勝は「死期を悟ったネコは姿を消す」とうそぶき、ついに有喜子の心は折れてしまう。

 【感想】
 若いころの有喜子(優希美青)は駅の売店の販売員で、常連客の勝(濱田和馬)は、最初は名前もわからぬ初恋の人でした。それが夢がかなって結婚できたのに、おそらく、結婚当初から亭主関白振りを発揮したのでしょう。それでも、かいがいしく世話をするのが当然、と彼女は思っていたのでした。

 勝は家事を一切しないどころか、家から帰ると妻に靴下を脱がせ、上着はそのまま玄関に脱ぎ捨てたのを妻にハンガーにかけさせる。そして、「おい、お茶」とか「メシ」とか叫び、その割りに妻が話しかけても新聞やテレビをみて、反応しない。この世代は愛情表現を出すのが苦手というのもあるかもしれませんが、おっさんの僕がみても、ちょっとこれはひどいなあ。実は勝も有喜子のことを愛していたというのが終盤わかりますけど、いくら心で思っていても反応がね。しかも、リアルといえばリアルだけど投げっぱなしで解決しなかった問題はあるし。

 また、子供たちもそれぞれで、父親同様、能天気な男になった長男(小市慢太郎)、女性なのにがさつさを父親から受け継いでしまう長女(西田尚美)、そして細やかな気配りをするけど両親の関係を反面教師としてしまう次女(市川実日子)と、いかにもこの親にしてこの子ありという感じ。ベテラン、中堅の演技派をそろえているので、一家でひさびさにすき焼きをつつくなんて、何気もないシーンでも、画面に緊張感あふれる見ごたえある場面になっています。

 そして、若いころを回想するときのモノクロの映像がこれまた美しい。エンディングロールも昭和30年代風だし、主題歌も笠置シヅ子だし、シニア世代にはたまらないのではないでしょうか。正直、現代風のヤンキーぽいイメージのあった優希美青が、ここまで昭和の清楚な美人役にはまるとは驚きました。小津テイストが現在によみがえったというとほめすぎですが、ああいう何気ない家族の姿を、ストレートに描いた作品って最近はあまりないですから、結構、満足できました。
posted by 映画好きパパ at 07:00 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。