2019年05月26日

居眠り磐音

 古き良き時代の娯楽映画を思い出させる良質な時代劇。ベストセラーの原作は未読ですが脚本が藤本有紀なので安心して観ました。松坂桃李は本当に良い役者ですね。

 作品情報 2019年日本映画 監督:本木克英 出演:松坂桃李、木村文乃、芳根京子 上映時間:121分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2019年劇場鑑賞138本目 



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 【ストーリー】
 豊前関前藩の坂崎磐音(松坂桃李)は優しい性格だが、眠っているようにみえてからの必殺技をもつ藩内随一の剣の使い手だった。江戸勤めを終えて3年ぶりに帰郷した彼は藩内の陰謀に巻き込まれ、祝言の朝、許嫁・奈緒(芳根京子)の兄で幼なじみの小林琴平(柄本佑)を斬ってしまう。家を取りつぶされた奈緒は行方不明になった。

 藩を飛び出し、江戸の下町で浪人暮らし磐音だが、カネに無頓着で家賃も払えないありさま。大家の金兵衛(中村梅雀)が、娘のおこん(木村文乃)の奉公先の豪商、今津屋(谷原章介)に用心棒として売り込むが、おっとりとした磐音におこんは用心棒がつとまるのかとあきれるばかり。そこへ、ヤクザたちが今津屋に押し入り、磐音は難なく撃退する。今津屋から幕府も揺るがす権力闘争が起きており、今回の嫌がらせもそれが原因と聞いた磐音は、今津屋の用心棒を引き受けることになる…

【感想】
 悪玉善玉がはっきりしているオーソドックスな時代劇ですが、松坂演じる磐音の造形がすばらしい。普段はおっとりしていて子どもにもからかわれながら、いざことが起きると正義の剣をふるう。そして、胸には哀しい過去と忘れられない思いが詰まっている。まさに日本人好みのヒーローで、それを松坂がうまくスクリーンに体現していました。

 序盤の豊前での騒動、中盤からの江戸での騒動、そしてエピローグ的な今後につながるエピソードといずれもシームレスに物語は続きます。豊前でのお家騒動はありふれた展開で、悪家老役の奥田瑛二も「散り椿」で似たような役を観たばかりですが、磐音と琴平、それにもう一人の幼なじみの河出慎之輔(杉野遥亮)の友情と哀しい運命が心を打ちます。

 江戸編は貨幣改鋳をめぐる陰謀ということで、単なる汚職ではなく、経済的なストーリーを盛り込んでこちらの興味をひかせてくれます。昼はウナギ屋で職人見習い、夜は用心棒という生活をする磐音をめぐる下町の人々の掛け合いも、どこか懐かしく楽しい。ちゃきちゃき娘のおこんの木村文乃の秘めた思いのさりげない描き方も奥ゆかしい。柄本明、陣内孝則といった独特の演技をみせるベテランがうまい具合に話にはまります。そして、単に悪役を倒して終わりではなく、心のひだにしみいるエピソードをつけ、観た者は余韻を楽しめます。

 殺陣もオーソドックスでありながら単なる様式に陥らず、居眠り剣法という見せ場を作った工夫は評価できます。特に序盤の磐音と琴平の斬り合いは、柄本の取り憑かれたような表情もすばらしく、見応えがあります。ここ何年かに観た時代劇のなかでは、一番、ストレートで見やすい作品ではないでしょうか。原作は40巻以上あるそうですが、ぜひぜひ続編をみたいものです。
posted by 映画好きパパ at 06:58 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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