2019年05月29日

ガルヴェストン

 B級アクションかと思いきや、後半は予想外の人間ドラマに。監督はフランスの美人女優メラニー・ロラン。異邦人の女優がこういう南部アメリカのハードボイルドを撮るのかという驚きと、女性ならではの視点がうまくかみ合った秀作でした。


 作品情報 2018年アメリカ映画 監督:メラニー・ロラン 出演:ベン・フォスター、エル・ファニング、ボー・ブリッジス 上映時間:91分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2019年劇場鑑賞141本目



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 【ストーリー】

 1980年代、ニューオリンズのギャング、スタン(ボー・ブリッジス)の下で手荒な仕事をしているロイ(ベン・フォスター)は重い肺病にかかり、自らの死を覚悟する。ロイの女を奪おうとするスタンに罠に掛けられたロイだが、追っ手を返り討ちにする。その際、組織に捕まっていた若い女ロッキー(エル・ファニング)を助けた。

 生活のために体を売っていた彼女はほかに頼るものもなく、ロイと一緒に町から逃げる。さらに、ロッキーは幼い妹のティファニー(アニストン・プライス)も連れだし、3人はテキサスの小さな港町ガルヴェストンに身を隠した。そこで穏やかな日々を過ごしていた3人だったが…

 【感想】
 ガルヴェストンという町は初めて知りましたが、人口5万人ぐらいの小さな町で、うらぶれたモーテルに泊まって、寂れたビーチに人影はまばら。まさに、逃亡者が流れ着くようなイメージですし、モーテルの宿泊客も社会から阻害された人ばかり。そこでこれまでくるしいことばかりだった3人は一息をつきます。

 ロッキーが盛んに「人生はやり直せるか」という質問をロイにして、ロイがなんとも切ない顔で「若いから大丈夫」というのが重たい。苦界に落ちても若ければまだなんとかなるかもしれませんが、くたびれた中年男で病気持ちのロイからすれば、どうしようもないのですよね。

 こういう、大人の苦みをまだ30代のメラニー・ロランがきっちりとフィルムに落とし込むというのがすごい。その一方でロイの渋さや、娼婦なのにきらめきがあるロッキーの美しさというのは女性ならではの見方という気がすごいしました。とくにロッキーのちょっとした感情の揺れというのが、エル・ファニングのうまさもあり、胸が見えそうな服での懇願や、青いビキニで幼い妹と波打ち際ではしゃいだりと、本当に19歳の少女のありのままをみせてくれるかんじ。

 また、フランスの映画人らしく、説明を省いて乾いた描写を続けたり、単純なご都合主義に陥らないというも魅力的です。ロイもスーパーヒーローではなく、身も心もぼろぼろになる一人の男として描いています。とにかく無敵で敵を片っ端から倒すというリーアム・ニーソン主演のような映画もいいですけど、やはりこういうザラザラ感はハリウッドのハードボイルドとはひと味違うといえます。

 原作は未読ですけど、後半の展開は僕の予想を完全に裏切っていて、短い上映時間だということもあって、最後までドキドキしながらみていました。 
posted by 映画好きパパ at 07:01 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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