2019年08月20日

JKエレジー

 貧困にもめげずにたくましく頑張る地方の女子高生の今を切り取った青春映画。周囲にまともな大人がいないと、いかに生きるのにハードゲームかというのが分かります。

 作品情報 2018年日本映画 監督:松上元太 出演:希代彩、猪野広樹、川瀬陽太 上映時間88分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:テアトル新宿 2019年劇場鑑賞252本目




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 【ストーリー】
 群馬県桐生市の女子高生梅田ココア(希代彩)は進学できるか悩んでいた。父のシゲル(川瀬陽太)は妻を亡くした後ギャンブルにはまり、働けるのに生活保護。兄のトキオ(前原滉)も東京で芸人になれなかったと家に戻ってからは引きこもりの毎日だ。大学進学の学費どころか、日用品を買うのもままならない。

 ココアは地元遊園地でのバイトのほか、トキオの友人のカズオ(猪野広樹)が撮るフェチビデオに出て出演料をもらっていた。しかし、カズオは先輩の横山(阿部亮平)に買いたたかれ、出演料は雀の涙。さらに、市役所がシゲルの生活保護受給は不正ではないかと調査を始め…

 【感想】
 人生がけっぷち、ドンズマリの女子高生が、それでも必死に生きる姿は多くの人の共感を得られるでしょう。それにしても、大人たちがそろいもそろってクズなのは情けないけど、現実はそうなんでしょうね。シゲルとトキオは論外ですけど、貧困がどういうものかわからず、指導がなおざりな担任教師(山本剛史)や不正受給追及のため、法事の最中もづかづかと上がってくる市役所のケースワーカーなど、だれもココアの人生を親身になって考えません。
 カズオは同情的ですが、彼もまた頭が悪く横山に食い物にされ、何の役にも立ちません。無能な敵は始末に負えないの典型でしょうか。空き缶を女子高生がつぶすフェチビデオというのも笑ってしまいますが、それだったらネット通販のほうがよほど安全なのに、と思ってしまいました。田舎特有の先輩後輩の関係っていうのは、こういう場合足を引っ張りますね。

 救いなのはココアの友達のサクラ(芋生悠)とアイコ(小室ゆら)が周囲の噂など気にせず、親友でありつづけることです。しかし、いくら友達でもカネも力もない女子高生にはどうすることもありません。結局、ココアは悪意の大人か、力のない同世代しか周りにはおらず、自分で生き抜かなければなりません。こういう境遇の子は大勢いるでしょうけど、ココアみたいにどこまでも自分の道を切り開こうというのは、それだけですごいことです。

 子供の貧困は本人に原因がないので、なんとか助けてあげたいのですが、地方は年寄りもこうしたセーフティーネットは少ないですし、そもそも情報にたどりつきにくい。せめて親や担任、ケースワーカーがしっかりしていればなんとかなるのですが、いくらネットが得意な子供でも、こうした金銭の問題にたどりつくのは難しいですね。しかも、世の中には貧困バッシングなんて狂った事態も起きているし。大人として、なんとかしなければならない重要な問題です。

 主演の希代は目力が強く、ココアという少女が本当に存在しているようでした。その彼女が終盤の祭りで見せた姿は素晴らしい名シーンです。一方、バイプレイヤーの川瀬陽太はここでも楽しそうにダメな父親を好演していますね。兄役の前原の気持ち悪さとあいまって、ココアが無事にこんな境遇を抜け出すよう祈ってしまいました。上映後の舞台挨拶に現れた希代はロングの金髪になっており、「ココアは大学に行ってぐれた」とかジョークを飛ばしていましたが、ここまで存在感のあるココアを、それこそ「北の国から」のように、大人になってもずっと観ていきたくなりました。

 全然、余談になるのだけど、冒頭のフェチ動画は手持ちカメラでとっていて、結構酔ってしまいましたが、実際のフェチ動画もこんなもんなのでしょうか。それにしても世の中いろんな性癖の人がいるんだなあ。(公開が迫っているので掲載順を入れ替えます)
posted by 映画好きパパ at 20:49 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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