2019年09月01日

ディリリとパリの時間旅行

 20世紀初頭のベル・エポック時代のパリを舞台に、ニューカレドニアの少女ディリリが少女誘拐犯を追う冒険アニメ。ピカソ、キュリー夫人、ドビュッシー、エッフェルなど当時の文化人が総出なのは豪華ですが、顔見せとストーリーがあまりつながっていなかったような。CGアニメは風景の実写ぽさも含めて、すこぶるお洒落でした。

 作品情報 2018年フランス、ベルギー、ドイツ映画 監督:ドメ・カルコスキ 声の出演(吹き替え版):新津ちせ、斎藤工 上映時間94分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2019年劇場鑑賞256本目  



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 【ストーリー】
 ニューカレドニアの少女ディリリ(声・新津ちせ)は広い世界がみたくて、船で密航しパリにやってくる。ニューカレドニアの原住民の生活をみせるというショーの一座に加わっていたディリリは、大型三輪車でパリ中を駆け巡る配達人の青年、オレル(斎藤工)と友人になる。

 キュリー夫人の子供を送り迎えしたり、ピカソ、ロートレックといった文化人とも交流が深いオレルの紹介で、ディリリはパリのさまざまな人と知り合いになる。そのころ、少女が次々に誘拐される事件が起きていた。ディリリにも魔の手が迫ったが、オレルのおかげで危機を乗り越える。警察があてにならないことをしったディリリは自分たちで犯人を見つけ出そうと捜査を開始する。

 【感想】
 絵柄をみて、可愛らしいディリリの姿や、パリの美しい風景、時代を感じさせる音楽、そしてパリが輝いていた頃のそうそうたる登場人物達にため息をつきたくなるほど見とれました。けれども何よりもいいのは、自分の道を自分で切り開こうとするディリリの強い心です。

 ニューカレドニア出身で浅黒い顔をしており、「言葉はしゃべれるの?」とあちこちで聞かれるディリリ。彼女にとって自分がどんな人物-ということが重要であり、自分の生まれがどこかは関係ありません。しかし、故国でもパリでも周囲はそんなことばかり重要視します。純真な少女でもうんざりするでしょうが、まったく偏見のないオレルと、彼が紹介してくれたパリの文化人達によって、ディリリはパリ滞在を十分たのしめました。

 それだけではありません。宝石強盗を捕まえようとしますし、少女誘拐団とも毅然として、文字通り命がけで対峙します。もちろんアニメだからということもありますが、どんな逆境もはねのけようとするディリリの強い心がみているこちらの心をつかまえます。それでいて、密航船で知り合った伯爵夫人から教えられた、スカートを両手でもちあげるレディの挨拶もしっかりしているのだから、すこぶるキュート。その彼女のハラハラドキドキする冒険は、見ていて応援したくなります。

 さらに悪人たちが少女たちに何をしようとしているのか(むろん子供も見られるアニメなので、性的なことではないですが)、そのひどさは今も世界のあちこちで起きていることとつながっているだけに、余計、ディリリを応援したくなります。

 オレルも、斎藤工の暖かく包み込むような吹き替えボイスがマッチしていて、ディリリと年が離れた親友だけど、大人として彼女を守ろうという決意が伝わってきます。何げにここまではまる声だとは思いませんでした。他の声優のキャストはネットで拾えなかったのですが、本職の声優でなくいわゆる有名枠で選ばれたのに、本当におみごとな声でした。ラストで流れる新津との歌も、心にしみいる名曲です。

 ただ、有名人の大半が顔見せ程度だったのが残念。実在の人物ではオペラ歌手のエマ・カルヴェがもっとも話に絡みます。僕は彼女のことを知らなかったのですが、オペラ座の地下から、白鳥型の小型船でパリをいききするなど、これまたあの時代の物語としてはぴったりの役割。正直、途中は有名人の顔見せで中だるみしましたが、クライマックスからラストに欠けては、大人も楽しめて、考えさせられる上質なできになっていました。
posted by 映画好きパパ at 06:45 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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