2019年09月30日

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん

 行方不明の祖父を捜すため、命がけの冒険に乗り出した少女の物語。フランスアニメですが、ノーブルな絵柄といい、どこまでもまっすぐな主人公といい、往年の世界名作劇場のような秀作です。

 作品情報 2015年フランス、デンマーク映画アニメ 監督:レミ・シャイエ 声の出演:クリスタ・テレ、フェオドール・アトキン、ピーター・オルソン 上映時間81分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:東京都写真美術館 2019年劇場鑑賞295本目 



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 【ストーリー】
 19世紀後半のロシア。貴族の子女で14歳のサーシャ(声・クリスタ・テレ)は、国で一番の冒険家である祖父のオルキン(フェオドール・アトキン)のことが大好きだった。しかし、オルキンは北極点を目指した冒険に出発したまま行方不明になる。国の威信をかけ、大金を費やした航海に出発したオルキンを悪くいうものも多かった。

 オルキンの部屋から地図を見つけたサーシャは、捜索隊が探した場所とは反対の航路をとっていたことをしる。科学大臣であるトムスキー王子(トム・モートン)に捜索を直訴するが、疎まれてしまい、父親(レミ・ブレット)からは馬鹿なことを言うなと厳しくしかられる。大人達が頼れないことを知ったサーシャは、自分で北極海へ行き、祖父の行方を捜すことにする…

 【感想】
 大好きな祖父を見つけ出し、汚名を晴らすために命がけの旅になってもいいと決意するサーシャ。少女らしい純真さと、まっすぐさはみているこちらの胸を打ちます。しかし、最初は決意だけで実際には何もできないお嬢様でした。それが冒険の途中で出会う仲間達によって、次第に成長していく青春物語です。

 北の果てで船賃をだまし取られたサーシャは、港の酒場の女将オルガ(ビビアン・バームス)の元で宿泊代の代わりに働くことになります。最初は何もできなかったサーシャが、次第に料理や薪割りといった家事をなんなくこなすこととなる様子は、テンポのよいカット割りで楽しめます。

 そして、いよいよルンド船長(ピーター・オルソン)率いる商船をチャーターして、北極へと旅立ちます。商船といっても蒸気と帆船をミックスした船であり、嵐が来ると揺れ、氷山が押し寄せると動かなくなります。さらに、荒くれ者の中に少女が一人。周囲からは悪運を持ってくると白い目でみられます。それでも、そもそも最初の船賃をだまし取った航海士のラルソン(アンソニー・ヒッキイング)や、一番年下の船員カッチ(トマス・サラゴス)が目を掛けてくれますし、サーシャもお客さんではなくて、苛酷な仕事に従事します。貴族のお嬢さんが目的のために、苛酷な労働に励む。でも、その思いは決して変わらない。こういうシチュエーションには弱いのですよね。

 さらに、北極圏に上陸しても冒険は続きます。自然の厳しさだけではありません。人間の醜さや弱さも目の当たりにします。そういう窮地に追い込まれたときに人の真価が問われるのです。だれもがサーシャを応援したくなるのではないでしょうか。

 また、アニメーションもシンプルでありながら、印象的なキャラクター、19世紀のロシアの風景、そして何よりも厳しい北極の自然をみごとに描いています。残暑厳しいときにみましたが、東京にいることを思わず忘れるほど引き込まれました。
posted by 映画好きパパ at 07:34 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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