作品情報 2019年日本映画 監督:常盤司郎 出演 染谷将太、戸田恵梨香、永瀬正敏 上映時間127分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2019年劇場鑑賞365本目
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【ストーリー】
父・東日登志(永瀬正敏)が亡くなり、東京でカメラマンとして働いている麟太郎(染谷将太)は久々に九州の実家に帰る。義母のアキコ(斉藤由貴)と姉の美也子(戸田恵梨香)はいたが、アキコの連れ子で麟太郎が子供の頃に家出したっきりの義兄シュン(窪塚洋介)の姿はなかった。
通夜の席でうるさ型の親せきが集まる中、アキコは目玉焼きや餃子といった食事を次々に出す。参列者は驚くが、麟太郎や美也子はあることに気づいた。それは父が再婚し、新しい家族として出発した頃の思い出のメニューばかりだったのだ。
【感想】
九州が舞台なのにロケ地が栃木ということで、低予算であることがしのばれますが、しっかりとした役者を脇に至るまでそろえたうえ、回想シーンの子役たちが本当に雰囲気にあっており、じっくり、しんみり見ることができました。また、目玉焼き、餃子、キノコピザといったごく普通のメニューだけど、家族にとってかけがえのない思い出がこもっているというアイデアもよかったと思います。
けれども、父が不器用で話し下手だったとしても、両親と子供たちとの意思の断絶が長年にわたって続くというのは、ちょっと作りすぎた感じがします。そんなに毒親でもないし、子供たちも反抗したわけがないのに、なぜ断絶ができたのか。そして、それを埋めるのが通夜の席の食卓なのか。もっと早くに互いのコミュニケーションをとればいいのに、と思ってしまいます。焼き魚の話なんかいろいろ突っ込みたくなります。
クライマックスはシュンの家出理由と現在の様子なのだけど、演じている窪塚がわりと雰囲気の俳優だけあって、何で彼がこう思ってこう行動するのかというのが今ひとつ説得力がありませんでした。家族の物語については、僕自身、自分の家族について考える年になってから、ちょっと見方が変わったかな。たとえ極端な設定でもいいから、自分が理解、納得できるキャラクターがいないとしんどくなりました。
それでも一番の見所は戸田の演技。朝ドラのスカーレットと見比べると、その幅の広さに驚かされます。結構、長いことみている女優だけに、これほど演技がうまいというのはちょっと驚きました。また、飯テロではないですが、出てくるメニューが身近なものだけに、見終わった後おなかがすきました。
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