作品情報 2019年日本映画 監督:宮岡太郎 出演 小坂菜緒、萩原利久、萩原聖人 上映時間86分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマみなとみらい 2019年劇場鑑賞377本目
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【ストーリー】
写真家志望の女子大生、平井由梨(小坂菜緒)のところに、差出人不明のパーティーの招待状が届く。幼なじみで親友以上恋人未満の関係にある中川真人(萩原利久)のところにも同じ招待状が届いたことをしった由梨は、キャンプ場で開かれるパーティーに参加することにする。
集合場所の田舎の駅には2人のほか6人の男女が集まっていた。北沢(萩原聖人)という中年男を除くと、あとは同世代の若者ばかり。無口なキャンプ場の管理人(黒沢さすか)の運転で、山奥にたどりつく一行を、呪いの巨人形が襲いかかってきた。
【感想】
小坂菜緒は初主演だそうで、下手ではないのですけれど、なんか演技しているなというかんじで、ちょっと浮いており、こんな調子で最後までいったらきついかな、と思いきや、ストーリーにも恵まれ思い切りはまりました。やはり、美少女が苦難にあうホラーというのはたまらず、彼女の素朴なかわいさが主人公にぴったりです。
山奥のキャンプ場に閉じ込められ、そこで次々と命を落とす若者たち。一見ばらばらにみえた8人が実は過去の因縁で結びついていたことがわかり、人形の武器がチェーンソーだったり、Hなことをした人から命を落としたり、マッドサイエンティスト(粟根まこと)が登場したりと、ホラーの定番通り話が進んでいきます。
ただ、どこまで真面目なのか、それこそヤケになっているのかわからないのですが、一つ一つがホラーの定番でも、それが組み合わさると非常におかしい。なんと言っても、敵役が巨大な日本人形。こういってはなんですが、NHKのチコちゃんを思い出してしまいました。不気味と言えば不気味ですが、それよりも、コミカルにみえて笑いをこらえるのに必死です。チコちゃんがチェーンソーやなたをもって、逃げ惑う若者を襲いかかるのですから。「どうせ死ぬならやらせろ」なんてシーンがでてきたときには思わず吹き出してしまいました。
さらにクライマックスのシュールなパーティーが、絵づらといいBGMといい、もう最高。手をたたいて喜びたくなりました。発声上映があったら絶対にみにいきたいできです。ITもそうですが、ホラーで笑わせようとギャグをいれる作品はそこそこあります。恐怖も笑いも感情が揺さぶるという面では一緒ですから。しかし、大真面目にホラーをして、ここまで楽しませてくれる作品というのは、非常に貴重といえましょう。個人的には「エクスクロス 魔境伝説」(2007年、松下奈緒主演)以来です。
配役もこの映画にぴったり。小坂を支える真人役は最近インディーズ系映画でよくみる萩原利久がしっかりした演技でサポートします。さらに、若者たちも、クールビューティの水上京香、派手な福島雪菜、地味な石川瑠華、ちゃらい黒羽麻璃央、そして膀胱が小さい近藤雄介と見事にキャラがたっています。そこに萩原聖人、黒沢、粟根といったベテランが、これまた生真面目な演技でシュールな役柄をこなしていき、物語の奥深さというか、不可思議さをきわめてくれました。万人にお勧めできるとはいえませんが、ホラーをよくみていて、なおかつ、変わった映画が好きだった人にとっては絶対に見逃せないといっても過言ではありません。
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