2019年12月15日

アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール

 盲目のテノール歌手として世界的に有名なアンドレア・ボチェッリの半生を描いた伝記映画。ダイジェスト的になってしまったところもありますが、本人の生き方が波瀾万丈なので、十分楽しめました。

 作品情報 2017年イタリア映画 監督:マイケル・ラドフォード 出演 トビー・セバスチャン、ルイーザ・ラニエリ、ジョルディ・モリャ  上映時間115分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2019年劇場鑑賞406本目



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 【ストーリー】
 1958年、イタリアで大きな農園を営むサンドロ(ジョルディ・モリャ)とエディ(ルイーザ・ラニエリ)夫婦に待望の男の子が生まれた。アモンと名付けられた赤ちゃんに大喜びする夫婦や親せきたちだが、泣き止まないアモンにエディは母親としての勘から不審を抱く。
 
 病院で見たところアモンは先天性の眼病で右目は完全に失明。左目もほとんど視力がなかった。小さいうちから手術を受けさせられ、何度もかんしゃくを起こすアモンだが、オペラを聴かせるとおとなしくなった。やがて両親や叔父のジョバンニ(エンニオ・ファンタスティキーニ)は、アモンに天性の歌声が授かっていることに気づく。盲学校でも盲目の歌手として注目されたアモンだが、左目も事故で完全に失明したうえ、声変わりで美しい声がでなくなり…

 【感想】
 アンドレア・ボチェッリが書いた自伝的小説が原作で、彼がプロデビューするところまで描いています。道が開けたようにみえても、すぐに大きな困難が起き、それにも負けずに成功をつかみかけると、さらに困難が起きる。けれども目が見えない代わりに音を聴き、歌うために沈黙を大事にする。アモンの必死の努力が実るか、後の成功がわかっている観客にとってもハラハラドキドキしながら、応援したくなるのではないでしょうか。

 そして、盲人の彼をバカにする人もいたけれど、多くの愛情をもった人に囲まれたことが、彼の幸せでした。愛情をもって、時には厳しく育ててくれた両親。彼の音楽の才能を信じ切ったジョバンニおじさん。同級生が盲人だと避ける中、親友となったアドリアーノ(アレッサンドロ・スペルドゥーティ)、彼がオペラ歌手として成功するために厳しく指導した師匠のマエストロ(アントニオ・バンデラス)、そして、どんなにつらいときでも彼を支えてくれた最愛の妻エレナ(ナディール・カゼッリ)。時には道から外れそうになったも、こうした人たちの存在があってこそ、自分の進む道を歩むことができました。

 また、偶然の短い出会いもアモンはチャンスにします。幼い頃、病室で隣の老人がオペラ好きだったこと。大学時代、クラブでピアノの弾き語りをしていたときに、酔客に絡まれてオペラを披露したところ大受けしたこと。そして、マエストロも偶然、調律師が紹介してくれました。左目が完全に失明したのはサッカーボールが当たったことで、それは不運です。でも、こうした幸運も人生には起きるわけで、それを手放さないということも成功には重要なことだったでしょう。もし音楽の才能があったとしても、周囲の協力がなかったり、幸運に気づかなければ、今頃歌手になっていなかったわけですから。

 ミュージシャンの映画はたくさんありますが、たいていは成功して麻薬、酒、音楽に溺れるというパターンです。本作のように、そもそも子供の頃から盲目というハンディがあり、さらに人間的弱さも見せながらも、決して成功をあきらめず努力し続ける姿はなかなかみられません。音楽映画だけでなく、ヒューマン映画としてもなかなかのできです。そもそも盲目なのにバイクの運転や乗馬ができるなんて、アンビリーバブル過ぎます。 

 アモン役のトビー・セバスチャンは、演技の巧拙よりも、自分に何かがあるけれど、それを発露できなくて苦しむ青年という役柄がよくあっていました。さらにアンドレア・ボチェッリ自身が歌を吹き替えており、その美声には圧倒されます。この声を聞くためだけでも劇場でみる価値のある作品です。
posted by 映画好きパパ at 16:19 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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