2020年01月04日

男はつらいよ お帰り 寅さん

 男はつらいよシリーズは、第1作目をビデオでみただけなのど、本作をみてなぜか懐かしさを感じました。昭和生まれのDNAにうまくはまった人情喜劇といえましょうか。

作品情報 2019年日本映画 監督:山田洋次 出演 渥美清、倍賞千恵子、 吉岡秀隆 上映時間116分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル 2019年劇場鑑賞429本目



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 【ストーリー】
 念願の小説家になった満男(吉岡秀隆)は妻に先立たれ、一人娘のユリ(桜田ひより)を育てながら暮らしていた。たまに葛飾・柴又の実家に帰り、父の博(前田吟)や母のさくら(倍賞千恵子)と一緒に食卓を囲むが、伯父の寅次郎(渥美清)がいてにぎやかだったころの幼少時を懐かしく感じていた。

 出版社に強引にサイン会に引っ張り出された満男は、初恋の人で今はオランダで結婚している泉(後藤久美子)と思わぬ再会をする。寅次郎に二人の恋を応援された昔を思い出していた満男だったが…

 【感想】
 男はつらいよの第1作から50周年に50作目となる本作が作られました。鬼籍に入った渥美清は当時のフィルムを編集していますが、単なる総集編でなく、昔たしかにいた寅次郎という男を満男が思い出すスタイルで、親子、家族について向き合ったきちんとしたドラマになっています。

 アバンタイトル的なものはないですが、桑田佳祐が主題歌を歌いながら歩くのがそうだといえばそうでしょうか。そこに渥美清の大きな顔がでてくる演出はにんまりします。劇がはじまると過去のシーンは思ったより少なく要所を締めるかたちで、男はつらいよをあまり見ていなかった僕も、すっと物語に入り込めました。

 テキ屋の寅次郎が主人公になるコメディというのは、現代ではなかなか作れないでしょう。職業についてのコンプラ的にも家族の人間関係も昭和のころとはまるでちがう。それだけに昭和の下町というノスタルジーをかきたてまくる存在というのが心地よくさせてくれます。倍賞の若い頃の本当に可憐なこと、渥美清との名コンビはみていてしんみりさせ、一度見てみようかという気にもさせられました。

 吉岡と久々にスクリーンでみる後藤久美子は面影を残しているものの、倍賞、前田、浅丘ルリ子はすっかり老け、年の流れというのを感じさせます。それでも、寅次郎が入ることで、あっという間に過去にタイムスリップする構成はうまい。そのなかに難民問題(広河隆一写真提供には苦笑しましたが)とか、介護の問題を深刻になりすぎない程度にちらりといれ、全体的にコメディだけど、ちょっと考えさせるという構成も昭和的でなかなかよかったです。

 筋となる物語自体も難しくなく、それこそニューシネマ・パラダイス的なノスタルジーをかきたてるので、男はつらいよをみていた人たちにとっては大喜びではないでしょうか。年末年始にみるのにふさわしい、ほろっとした部分もある昔ながらのコメディでした。



posted by 映画好きパパ at 22:45 | Comment(0) | 2019年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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