2020年01月21日

パラサイト 半地下の家族

 カンヌを獲り、韓国語映画として初めてアカデミー作品賞にノミネートされるなど国際的に評価が高い作品。非常にうまい作品ですが、個人的には貧困や疎外を扱ったテーマではジョーカーのほうが好きかな。
  
 作品情報 2019年韓国映画 監督:ポン・ジュノ 出演 ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チェ・ウシク 上映時間132分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2020年劇場鑑賞15本目 




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 【ストーリー】
 何をやってもうまくいかず、貧窮にあえいでいるキム一家。当主のギテク(ソン・ガンホ
)は楽天的な性格だが、妻のチョンソク( チャン・ヘジン)の尻に敷かれている。ある日、フリーターで長男のギウ(チェ・ウシク)が友人の大学生ミニョク(パク・ソジュン)から、IT企業社長で金持ちのパク家の高校生の娘、ダヘ(チョン・ジソ)の家庭教師の口を紹介された。

 名門大学生になりすまして家庭教師を始めるギウ。教え方がうまく、ダヘの母ヨンギョ(チョ・ヨジョン)に気に入られる。さらに、ダヘの弟ダソン(チョン・ヒョンジュン)の美術教師を探しているときいたギウは、妹のギジョン(パク・ソダム)をまったく他人になりすませて、美術教師として採用される。さらにギウは次なる計画を立てて…

 【感想】
 格差が世界的に問題になるなか、このテーマを扱う作品は増えています。本作の場合、ポン・ジュノらしいブラックユーモアまじりで、中盤から物語がどんどん加速して、どちらにいくかわからないという巧みな構成となっています。格差もブラックユーモアもわかりやすいので、欧米でも高く評価されているのでしょう。

 半地下というのは実際に韓国にあるそうで、家賃は安い代わりに作中にあるよう道路で立ち小便をする人はいるは、虫がでてきて消毒されるは居住環境は最悪。パク社長(イ・ソンギュン)に干した切り干し大根のような、地下鉄でかぐような臭いがする、といわれますけれど、いくら着飾っても生活にしみついた臭いは抜けないということで、根本的な格差についてよくわかります。

 映画の中で出てくるパク一家は純粋で善良です。一方、キム一家をはじめとする貧乏人は協力しないで足を引っ張るばかり。よくある話では正直者の貧乏人に意地悪な金持ちというパターンが多いのですけど、金があることによって善良な子どもに育つことが多いというのは、この作品のなかでも一番の風刺だと思います。昭和の頃に筒井康隆が、天使のような金持ちの少女が貧乏人にボロボロにされるというプロットをエッセーで書いていたけど、そうした話しが具現化するのは極めて珍しい。でも、幼少時に裕福かどうかというのが性格付けに大きな影響を与えるという研究は今や主流であり、世の中はなかなか世知辛いものです。

 また、コネ社会というのも韓国の特徴で、警備員に大卒100人が殺到するという言葉がありましたが、コネがなければ良い職業になかなかつけない。ギテクがチキン屋や台湾カステラ屋で失敗して貧乏になったというのも「エクストリーム・ジョブ」のチキン屋同様、韓国の庶民がいかに苦しんでいるかと言うことです。文在寅大統領はこうした貧困した庶民を救済する経済政策を打ち出して大統領に当選しましたが、蓋を開ければ貧困層はますます苦しくなると言うお粗末な結果。映画はそうした庶民の苦しみをほろ苦く、ユーモア混じりで描いています。
また、半地下の家がそもそも北朝鮮侵攻への対策として作られたり、登場人物に北朝鮮のニュースのものまねをする人がいるなど、南北関係もちくりとしています。

 ソン・ガンホのドロップキックはなかったものの、別の登場人物による蹴り技はありまして、相変わらずだと笑ってしまいました。ソン・ガンホ以外は日本でおなじみのスターはでていないですが、イ・ソンギュンの張りのある声にびっくり。また、パク・ソダムとチョン・ジソがたいして年が変わらないのに、育ちによる雰囲気の差をだしているのをみても、ジュノ監督の演出はさすがだと思います。でも、ちょっと巧すぎるかなという思いも正直ありました。
posted by 映画好きパパ at 06:51 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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