2020年01月29日

ロマンスドール

 大人のおもちゃのラブドール職人の青年とその妻を通じて夫婦の情愛をじっくりと描いた作品。タナダユキ監督らしいゆったりとした流れと乾いた質感は好きのですが、映画にありたいのですがエピローグにクライマックスの1シーンを流す作りは本作に合わなかったと思います。

 作品情報 2019年日本映画 監督:タナダユキ 出演 高橋一生、蒼井優、きたろう 上映時間123分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2020年劇場鑑賞23本目



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 【ストーリー】
 美大出身のフリーター、北村哲雄(高橋一生)は先輩の紹介でラブドールの工場で働き出す。そこにはこだわりぬく職人の相川(きたろう)、事務のおばちゃんのまりあ(渡辺えり)、商品開発に熱意を燃やす社長の久保田(ピエール瀧)らユニークな人材がそろっており、哲雄もいつしか溶け込むようになっていた。

 ある日、本物の女性から型取りしたラブドールを作りたいという相川の希望で、人工乳房を作ると偽ってモデルを募集したところ、園子(蒼井優)という女性が応募してきた。2人はすぐに恋に落ち結婚したが、哲雄はラブドールの職人だということはいいだせなかった。やがて夫婦の間に少しずつ隙間ができてきて…

 【感想】
 ラブドールというと、是枝監督の「空気人形」に出てくるようなちゃちなものしか知らなかったのですが、今や素材もシリコンなど進んでいて、かなり本格的なものなのでびっくりしました。最初に哲雄が巨乳に作りすぎて、社長から怒られる部分もありますけれど、より人間に近いもののほうが受け入れられるんですね。妙なところの知識が増えました。

 さて、騙してモデルになってもらったため、自分の仕事をなかなか言い出せない哲雄。どんな夫婦にも秘密はあると思いますが、スタート時から秘密を抱えていることは見えない澱のようなものがたまっていったのでしょう。せっかく夫婦なのにどこかよそよそしい関係。仕事が忙しいのをいいことに、きちんと向き合おうとしない哲雄。そしてそんな関係に流されていく園子。これは映画の世界の話しだけど、本当に他人の始まりでもある夫婦の関係は何と難しいと思いました。

 中盤、園子に秘密があるのかと問いただされる場面があります。このあたりは夫婦関係とはなんであるかというもののクライマックスといえるのではないでしょうか。同時に、蒼井優が「宮本から君へ」に続いて、大人の男女のラブシーンを演じてくれます。その生々しさがかえって、体がつながっていても心がつながらないむなしさを感じさせてくれます。後半はその関係に一石が投じられるのですが、冒頭で何が起こるのか見せられてしまったのはかえすがえすも残念でした。それでも、今結婚している人も、これから結婚を考えているひとも、みたら何か参考になるところはあるでしょう。

 蒼井は「宮本〜」ほど演技演技しておらず、ナチュラルな感じがかえってなまめかしい。高橋の低いトーンともうってつけです。その分、きたろう、渡辺、ピエールといったおじさん、おばさんがコッテリとした演技をみせつけてくれてバランスもちょうどいい。小品ながら最後まで楽しめた作品でした。
posted by 映画好きパパ at 08:47 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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