2020年01月31日

9人の翻訳家 囚われたベストセラー

 世界的ベストセラー、ダヴィンチコードシリーズ刊行の際、翻訳家を地下室に隔離して翻訳された実話からヒントをえたミステリー。突っ込みどころはあるけれど、終盤のたたみかける展開はすごかったです。

 作品情報 2019年フランス、ベルギー映画 監督:レジス・ロワンサルン 出演 ランベール・ウィルソン、オルガ・キュリレンコ、アレックス・ロウザー 上映時間105分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2020年劇場鑑賞25本目



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 【ストーリー】
 フランスの覆面作家、オスカル・ブラックによる世界的なベストセラー、「デダリュス」の完結編が世界同時刊行されることになった。出版社社長のアングストローム(ランベール・ウィルソン)は秘密漏洩のため、フランスの大きな屋敷の地下シェルターに、9カ国語の翻訳家を隔離した。9人はスマホを取り上げられ外部との連絡を一切禁じられ、翻訳作業を開始した。

 ところが、警備員や監視カメラらで厳重に警戒しているはずなのに、原稿の冒頭が何者かによってネットにアップされ、続きをアップされたくなければ500万ユーロを払うようにと脅迫メールがきた。原稿はアングストロームとブラックと9人の翻訳家だけ。犯人を捕まえようとするアングストロームは過激な手段をとる。一方、9人の翻訳家も疑心暗鬼の中、仲間割れを始め…

 【感想】
 犯人は割と早い内に見当がついたのですが、手口と動機はわからず、二転三転していくので最後まで楽しめました。翻訳家が9人もいるのに、アングストロームも含めて登場人物の交通整理がうまい。終わってみればミステリー部分に穴もありましたけど、見ている最中は気にならないのでわくわくしました。

 文学を商品としてみないアングストロームに対して、翻訳家のなかにはデダリュスのコスプレまでして作品愛を訴えたロシアのカテリーナ(オルガ・キュリレンコ)や、海賊版で英語版をアップしたアレックス(アレックス・ロウザー)など、小説に対する思い入れがたっぷり。その一方でカネにがめつくアングストロームにこびを売るイタリアのダリオ(リッカルド・スカマルチョ)のような人もおり、だれがどうやって流出させたのかというのは密室ものになっています。また、犯人を追い詰めようとどんどんてんぱっていくアングストロームや、9人が仲間割れする様子はパニック映画に近いものがあります。

 翻訳家たちも、最初はみんなでクリスマスをいわったりボーリングを楽しんだりしていたのが、アングストロームの厳しい追及が続く中、隠された素顔があらわれていきます。このへんの人間の裏表をしっかり描いているのも興味深い。さすがにいきすぎちゃって、リアルさはうすれますけれど、ミステリー映画としては十分納得できます。

 ところで日本人として不思議なのは、デンマーク語やギリシャ語の翻訳家がいるのに、なぜ日本語の翻訳家がいないかということ。市場のシェアとしては日本語のほうが多いのに。中国人の翻訳家チェン(フレデリック・チョウ)がいるので、フランス映画としては東洋人が2人いると混乱しちゃうと思ったのかな。中国人が男性なので日本人は女性だったら差がついてわかりやすいのに、と思ってしまいました。
posted by 映画好きパパ at 07:14 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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