2020年02月08日

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

 クリスティの世界を現代のニューヨークにもっていったらどうなるかという本格ミステリー映画。雰囲気もよかったし、登場人物も訳ありで、トリックは強引でしたけど、堪能できました。シリーズ化しないかなあ。

 作品情報 2019年アメリカ映画 監督:ライアン・ジョンソン 出演 ダニエル・クレイグ、アナ・デ・アルマス、クリス・エヴァンス 上映時間131分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル 2020年劇場鑑賞31本目




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 【ストーリー】
 ニューヨーク郊外の豪邸に住む、世界的なベストセラー作家ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)が変死した。警察は自殺と処理したが、名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)のところに、匿名の人物から調査依頼が届いた。

 死亡の前夜、誕生パーティのため一族が集結していた。調査を進めるうちに、表面上はセレブぶった一族の秘密や噓が次々と暴露されていく。さらに、ハーランの遺言状が驚くべき内容だったため…

 【感想】
 豪華な屋敷で一族の主が死亡し、怪しげな一族や使用人たちという本格派ミステリーの形をなぞりながら、格差、移民差別といった現代の社会問題をさりげなく盛り込みました。後味もよく、アカデミー賞の脚本賞にノミネートされたのもむべなるかな。
 事件の鍵を握るのは看護師で南米からの移民、マルタ(アナ・デ・アルマス)。ハーランからの信頼も厚く、ハーランが一族のトラブルについて彼女に愚痴をこぼすため、一族の秘密を握っていたのでした。しかも、噓をつくと吐いてしまうという体質のため、ブランから助手役に指名されます。この噓をつけないという制約が、物語に深みをましています。

 一方、怪しげな一族は放蕩しまくって借金だらけの孫のランサム(クリス・エヴァンス)、使い込みがばれた義理の娘のジョニ(トニ・コレット)、著作権管理の仕事を辞めさせられた息子のウォルト(マイケル・シャノン)、浮気がばれた長女の夫のリチャード(ドン・ジョンソン)など、ハーランの死で得する人ばかり。豪華キャストがいかにも怪しそうな裏をみせてくれます。

 途中、外国からの移民への対応をどうするかとの議論が起こりますが、移民排除派だけでなく、一見マルタに親切そうなランサムたちも、彼女がどの国から来たか覚えていなかったり、自分の尻に火が付くと態度が一変するなど、リベラルのうさんくささも皮肉っているのも痛快です。

 さらに、金持ちの彼らはハーランの財産があるからセレブになっただけなのに、さも自分たちが偉いという態度をとるから鼻持ちならない。紳士探偵という肩書きのブランも、南部訛りということでバカにされています。しかし、一族の一人が豪邸のことを「先祖代々代受け継いできたこの屋敷」というと、ブランから「1980年代にパキスタン人から買ったのでは」と突っ込まれるなど、金持ちの傲慢さにぴしゃりといってくれるのが気持ちがいい。

 ミステリーとしても、半分倒錯というか、証言しつつも裏事情にはこういうことがあったんだという映像が流れてきますし、容疑者側がブランの追及にあたふたする場面をみせたりとかひねったところがあります。さらに、犯人がブランに見つからないように捨てた証拠品を、犬が遊んでいると勘違いして喜んでくわえてきたりとか、イギリス風のユーモアも随所にあり、2時間超えていてもまったく苦になりませんでした。とはいえ、大きなアクションがある話しでもないので、隣の席の人はうつらうつらしていましたが。

 格差をテーマにした映画が増えていますが、こういうのもありだと思わせてくれる逸品です
posted by 映画好きパパ at 08:30 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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