2020年02月12日

37セカンズ

 女性障害者の自立と性をテーマに、アメリカで活躍する女流のHIKARI監督の長編デビュー作。ベルリン映画祭の観客賞を受賞し、性的な部分が割と注目されていますけど、親子の自立のほうに関心をひかれました。

 作品情報 2019年日本映画 監督:HIKARI 出演 佳山明、神野三鈴、大東駿介 上映時間115分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2020年劇場鑑賞34本目




ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
 【ストーリ】
 脳性まひで下半身不随の貴田ユマ(佳山明)は23歳になっても母の恭子(神野三鈴)の過保護に悩まされていた。仕事も友人の漫画家さやか(萩原みのり)のアシスタント名目のゴーストライターで、内心、フラストレーションがたまっていた。

 自分で漫画をかいたユマは持ち込み先のアダルト漫画雑誌の編集長(板谷由夏)からセックスもしたことがないのに、アダルト漫画を描くのはおかしいと指摘される。そこでお見合いパーティーにいくが障害のために相手にされず、失意の彼女は風俗店の呼び込みの男性(渋川清彦)に声をかけるのだが…

 【感想】 
 自身も脳性麻痺の佳山が、自分の人生をポジティブに生きていこうという前向きな障害者の姿を体現しています。ヌードシーンもあるし、性風俗を利用するシーンもあるし、まさに体当たりの演技に舌を巻きます。身障者ということで役柄が限られるかもしれませんけど、本作では主役としてのオーラがわきでていました。

 ユマがポジティブといっても、これまでの人生でつらいこともあったのでしょうか、ぼそぼそとしたしゃべりで、嫌なこともはっきりといえないような感じです。それでも、たまったものがあふれたときに前へ進む勇気をもっています。これって、どんな人でも大切なことで、それをユマが示したことは、観客にも勇気を与えてくれるのではないでしょうか。そして、彼女の場合、偶然しりあった障害者男性で性風俗について取り組んでいる能條慶彦(本人)、風俗嬢の舞(渡辺真紀子)、ヘルパーの俊哉(大東駿介)が、彼女の自立を手助けしてくれます。こういう人と出会えることは大切だし、そのチャンスを逃さないことも重要です。

 ユマは大人になっても母に干渉されるのも嫌がるというのも理解できます。障害者だからできないと決めつけられるのに腹が立つ。でも、母親からすれば子どものころから不安ばかりだったでしょうし、離婚してまでシングルで育てたことの自負があるでしょう。さらにユマが外で働くことを認めていることは、彼女にとっての妥協なわけですから、うざく思うユマの気持ちも、心配する恭子の気持ちも両方わかる。でも、親は子離れしないとけないわけですからね。

 佳山明の魅力は前述の通りで、ベテランの神野とがっぷり四つに組んだ演技は見ごたえたっぷり。また、尾美としのり、渋川といった中年バイプレイヤー、そして、ユマに依存している、さやかのやさぐれぶりを、萩原みのりが実にいい演技をしています。また、芋生悠がさわやかでよかった。ベテランか若手まで見事なアンサンブルも楽しめました。

posted by 映画好きパパ at 07:17 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。