2020年02月16日

転がるビー玉

 渋谷で取り壊し間近のマンション一室をシェアする3人の女子の日常を淡々と描いたおしゃれな作品。とりたてて大きな事件はおきないけれど、今、本当にここで生きているようにみえる等身大の営みがたまりません。

 作品情報 2019年日本映画 監督:宇賀那健一 出演 吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯 上映時間93分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2020年劇場鑑賞38本目  



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 【ストーリー】
 渋谷の取り壊し間近のマンションでルームシェアをする3人の女子。モデルでの成功をめざしてバイトしながらオーデイションを受けている愛(吉川愛)、ファッション雑誌の編集部で働く瑞穂(萩原みのり)、ミュージシャン志望で夜になるとストリートライブを繰り返す恵梨香(今泉佑唯)。

 3人は夢をかなえようともがきながら、時に笑い、時に泣き、日々を生きていた。だが、マンションの取り壊しが正式にきまり…
 
【感想】
 一見夢に向かってキラキラした青春を送っている3人ですが、現実は厳しい。愛はオーディションに落ちっぱなし。かつての同僚で今は大差をつけられたテテ(大野いと)の活躍を横目にくやしい思いをしています。瑞穂は編集部で失敗ばかり。先輩たちから怒られながら、浮気性の恋人啓介(笠松将)に悩まされています。恵里香もかつてのバンド仲間がフェスに出ると聞いて心穏やかではありません。

 それでも、何とか懸命にもがく彼女たちを応援したくなります。愛は痩せているのにさらに食事制限にいどみます。恵里香はだれもいない夜の歩道橋で一人ギターを弾く。そして、3人の友情。ウェット過ぎず、ドライ過ぎず今風の女の子の関係がみていて心地よい。シェアハウスということで恵里香が食事当番でご飯を作るのですが、焼き鮭とかごく普通のご飯を仲良く食べる様子は飯テロみたい。

 それほど長くないエピソードが続く構成で、本当にたいしたことは起きないし、ドラマティックな表現も少なく、さらっと見ていれば退屈でしょう。でも3人の息づかいが聞こえてくるような感じで、啓介の本命の彼女の洗濯物をにらむ瑞穂、恵里香のストリートライブでたった一人しかいない客(山中崇)と、たった一言、ありがとうしかない会話など、尊い場面のオンパレード。心の中にじわじわと暖かさがひろがっていきます。

 子役の時から演技に定評がある吉川愛が、主役としての存在感をみせつけ、スクリーンに美少女ぶりを披露します。彼女をみるだけで、本当に尊い気がするから不思議。37セカンズで小心で卑怯者を演じた萩原みのりも、またもや髪を染めてましたがさすがの存在感です。そして元欅坂の今泉佑唯は、さすがは元アイドルといった透き通った歌にフレッシュな演技で今後が楽しみ。脇役では山中の何もしゃべらず万感をこめて歌を聞く場面が本当に尊い。

 おしゃれなクラブから場末のネットカフェまで、東京オリンピックで東京は大きく変わるかもしれません。その直前の東京で暮らす若者の雰囲気がどんな感じだったのか、すこぶる的確に伝える作品にも思えました。
posted by 映画好きパパ at 07:16 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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