2020年02月18日

テリー・ギリアムのドン・キホーテ

 名匠テリー・ギリアムが長年映画化を夢見ながらさまざまなトラブルで実現しなかった企画がついにできました。現実と夢想の世界の混在などのギリアムらしさを出す一方、割とまとまっていたので不思議でした。

 作品情報 2019年スペイン、 ベルギー、 フランス、イギリス、ポルトガル映画 監督:テリー・ギリアム 出演 アダム・ドライヴァー、ジョナサン・プライス、ジョアナ・ヒベイロ 上映時間133分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2020年劇場鑑賞41本目



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 【ストーリー】

 CM監督のトビー(アダム・ドライヴァー)は、スペインでドン・キホーテをモチーフにしたCMの撮影中、トラブルの多発に頭を悩ましていた。しかも、ロケをみにやってきた上司(ステラン・スカルスガルド)の妻ジャッキー(オルガ・キュリレンコ)とあわや深い仲になったところを上司に踏み込まれるなど、私生活も混乱していた。

 たまたま学生時代に「ドン・キホーテを殺した男」という自主映画を近くの村で撮影したトビーは、懐かしくなってロケ地を訪れる。ところが当時ドン・キホーテ役を務めていた靴職人のハビエル(ジョナサン・プライス)は自分が本当にドン・キホーテだと信じ込んでおり、ヒロインを務めたアンジェリカ(ジョアナ・ヒベイロ)は、自分が女優になれると思って村をすてて故郷から絶縁されていた。そして、ハビエルはトビーを従者のサンチョ・パンサと信じ込んで…

 【感想】
 当初、ドン・キホーテ役はジャン・ロシュフォール、トビー役はジョニー・デップの予定でしたが、ロシュフォールの病気や悪天候による予算急増の問題から撮影が棚上げになった様子は2002年のドキュメンタリー「ロスト・イン・ラ・マンチャ」で描かれていて、その時の混乱ぶりも今回、とりいれらたのでしょう。その後、ドン・キホーテ役はジョン・ハートに決まりますが、彼も病死してしまいます。クレジットにロシュフォールとハートに献辞があったのはそういった歴史を感じさせました。

 映画のロケがあったため村人たちの平穏な生活が無茶苦茶になるというのは、ギリアムの実感だったのでしょうか。それでも映画にしがみつく業の深さのなんとえぐいことか。そして、ドン・キホーテの世界が虚実あいまって、トビーの生活をめちゃくちゃにしていきます。割とブラックな展開が続く中、移民問題とかにも目くばせが聞いているのもギリアム作品っぽい。

 風車の話ぐらいしかドン・キホーテのことはしらなかったのですけど、それを含めて原作を割と忠実にいれているそう。気が狂ったドン・キホーテと愚鈍だけど忠実なサンチョ・パンサが次々とトラブルに巻き込まれ、人も死んじゃうなんてことが、現代を舞台に起きちゃうというのが何ともシュール。スペインの荒地や豪壮な城、そして当時のファッションを含めた見どころもいっぱいです。

 才能があるくせに、ちょっと世渡りが下手で、どんどんドツボにはまるトビーの困った顔は何といってもアダム・ドライヴァー以外考えられないほどはまっています。そして、自分がドン・キホーテと信じ込んだジョナサン・プライスのいっちゃった演技もまたたまりません。さらに、ジョアナ・ヒベイロの目力や、オルガ・キュリレンコのファム・ファタールぶりもお勧め。まあ、名作というより怪作ですけどね。
posted by 映画好きパパ at 07:31 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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