作品情報 2019年日本、カザフスタン映画 監督:竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ 出演 森山未來、サマル・イェスリャーモワ、マディ・メナイダロフ 上映時間81分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:新宿シネマカリテ 2020年劇場鑑賞44本目
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【ストーリー】
カザフスタンの草原に住む少年、オルジャス(マディ・メナイダロフ)は馬飼いの父が大好きだった。ところが、市場に馬を売りに行った父が強盗に殺されてしまう。
悲嘆にくれる一家の前に、謎の男カイラート(森山未來)が現れる。彼はオルシャスの母アイグリ(サマル・イェスリャーモワ)の昔の恋人だった。
【感想】
公式サイトをみるとソ連崩壊後の混乱が続く1990年代の物語だそう。たかだか20年前なのに、西部劇のような話が成立するのはびっくり。特にクライマックスは馬に乗りつつの銃撃戦なんですが、これが現代劇として通用するというのは本家のアメリカはもとより、他の地域でもなりたたないでしょう。これだけでも見たかいがありました。ラストシーンも何とも西部劇的なハードボイルド。
また、短い上映時間にもかかわらず、じっくりと日常風景の描写が続きます。おそらく日本では小学校高学年ぐらいのオルジャスが悪ガキ仲間と遊びつつ、両親にしっかりと愛されて暮らしている情景を丹念に描いています。だからこそ後半の急展開がいかされるのでしょうけど、これまた日本では昭和30年ぐらいの情景で、どことないなつかしさがあります。
そして、物語も後半になってやっと出てくる森山未來。カンヌ主演女優賞をとったことのあるサマル・イェスリャーモワとの共演でも一歩もひきません。同時にオルジャスとの疑似親子的な関係(それだけではないのだけど)。言葉だけでなくオルジャスが絵が好きということもあり、絵を通じて心が触れ合っていく様子はうまい展開です。
オリエンタルだなと思ったのが、小さな子猫が物語の要所ででていること。ストーリーは暗いだけでなく、村の風習とかいけすけないところもあったのが、子猫のかわいらいしさが癒してくれました。
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