2020年02月28日

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ

 1970年代のドイツの連続殺人犯をファティ・アキン監督が描いた問題作。とにかく汚いというか醜くて、まあ現実の殺人なんていうのもそうなんでしょうがね。それでいて妙に芸術ぽいところを狙っているのが個人的に肌合いがあいませんでした。

 作品情報 2019年ドイツ映画 監督:ファティ・アキン 出演 ヨナス・ダスラー、マルガレーテ・ティーゼル、バーク・ボーム 上映時間110分 評価★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2020年劇場鑑賞55本目 
 


ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

 【ストーリー】
 1970年のハンブルグ。醜い容姿をもつフリッツ・ホンカ(ヨナス・ダスラー)は女性に相手にされず、中年娼婦をアパートの屋根裏の汚い自宅に連れ込み、暴力をふるって殺害した。しかし、娼婦が消えたくらいでだれも騒がず、事件は発覚しなかった。

 ホンカはゴールデン・グローブという安酒場の常連となり、そこで娼婦をひっかけては殺害していく。ある日、ペトラ(ゲルタ・ソフィア・シュミット)という美少女と町ですれ違い、欲情を催すのだったが…

 【感想】
 強烈な眼鏡に醜い乱杭歯の中年男といったホンカの容貌。実際の彼は犯行時40歳前だから当時としては中年でしょう。それを23歳のイケメン俳優ヨナス・ダスラーに特殊メイクで演じさせたというのが、いまいち、自分と肌合いがあいません。不細工の中年俳優では客が入らないから、若手人気俳優に特殊メイクをさせたのか、とすら疑ってしまいます。

 それはさており、ホンカの部屋はゴミ屋敷の一歩手前。キッチンの奥にはバラバラ遺体があったりして、悪臭もすごかった。それを忠実に再現しているので、みているこちらが気持ち悪くなりそうです。ただ、連続殺人犯の映画はいくつもあるけれど、スタイリッシュにとっている作品が多いので、現実的な殺害現場というのは本作はリアルなのかもしれません。

 ホンカは女に相手にされませんが、逆にホンカの犠牲者となる娼婦も、だれも買い手のつかない中高年ばかり。戦争でつらい目にあって、高度成長からも取り残された彼女たちは、醜いホンカでも金や食事がでるならすがるしかなかった。といって彼女たちが善良なわけでもありません。ホンカも含めて社会から見捨てられたような存在で、性格もねじまがっているものがおおい。ホンカは一時期ゲルダ・フォス(マルガレーテ・ティーゼル)という中年女性と同棲しますが、暴力的なホンカに愚鈍なゲルダとみているこちらが頭を抱えたくなるような組み合わせ。

 そんななか、ペトラという女子高生の存在があり、ホンカが何とも言えない芸術的な夢想をするのだけど、彼女の意義がよくわからなかった。ずっと汚いシーンだと観客があきるからこういう場面を芸術っぽくいれたのかなとすら思ってしまいました。

 ホンカの殺人は衝動的で、よく捕まらなかったと思いますが、警察も娼婦の行方不明ぐらいでは本格的に捜査はせず、周囲の部屋から悪臭のクレームがきても、ホンカが外国人のせいにしてごまかしたりしたそう。これまた社会に阻害された人同士がどうなろうと、警察は関心ないという格差のあらわれかもしれません。けれども直接的な殺人や性交の描写が少ないとはいえ、ここまで露悪的に描かれるとしんどかったというのが正直なところでした。
posted by 映画好きパパ at 07:42 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。