作品情報 2017年イギリス映画 監督:セバスティアン・レリオ 出演 レイチェル・ワイズ、レイチェル・マクアダムス、アレッサンドロ・ニヴォラ 上映時間114分 評価★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2020年劇場鑑賞56本目
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【ストーリー】
厳格なユダヤ教のラビである父親に反発し、ロンドンの家を飛び出しニューヨークで暮らすロニート(レイチェル・ワイズ)は、父の死を知り、葬儀に出席するため故郷に戻ってきた。信仰も家族も捨ててアメリカに行ったロニートを親戚や近所の人は冷たい目でみていた。
唯一、暖かく出迎えてくれたのは学生時代の仲良しで、後継ラビと目されているドヴィット(アレッサンドロ・ニヴォラ)と、妻のエスティ(レイチェル・マクアダムス)だった。ところが、ロニートとエスティは過去に愛し合っていた。ユダヤ教の掟では同性愛はタブー。自由なニューヨークへ行ったロニートと、家族や信仰を捨てられず地元に戻ったエスティ。2人は微妙な関係になっていく。
【感想】
厳格な戒律をもつ宗教に対して、個の自由を訴える現代人。こうしたコミュニティの人たちはどのような選択をとろうとも何かを犠牲にしなければならず、割とこうしたタブーの少ない日本人からすると生きづらいだろうなあという気がします。それだけではなく、夫婦の性行為も金曜日と決められていたり、服装も派手なものが許されなかったり、とても21世紀の西洋社会と信じられないような厳しさです。
そんななか、主体的で自由に生きるロニートに、エスティはあこがれるのだろうけど、愛する者同士の力関係は、その時々で微妙に変わるというのが興味深い。ドヴィットは結婚前に妻とロニートが愛し合っていたことを知っていたのかどうかわかりませんが、結婚して夫婦の絆ができたとおもってロニートを迎え入れたのに、あっさり妻を寝取られたのなら立つ瀬がないなと思ってしまいました。
聖職者ということもあるかもしれませんが、一番、心の広いのはドヴィットなわけで、エスティの心の中にロニートという人が住みついていることをしったうえで、それでも夫婦関係を継続できるのかどうか。映画ではロニートやエスティメインで描かれていますが、僕自身はドヴィットがどのような選択をするのか、関心をもってみてました。
ただ、描写がとにかく平板で、レイチェル・マクアダムスの美しい裸身がおがめたりしますが、それでも眠気を我慢するのに必死。宗教がテーマの一つであるからかもしれませんが、現代人における宗教のありかたを説教されているような気もしてしまうし、ロニートにもエスティにも思い入れができなかったし、まじめだけどつらい作品でした。
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