2020年03月08日

劇場版 SHIROBAKO

 アニメ業界の実情を群像劇で描き、2014年に放映されたテレビ版が大きな反響を呼びました。その4年後を描きました。まさか、続編ができるとはうれしいサプライズです。無職の僕がいうのもなんですが、仕事をすることの素晴らしさがストレートに伝わってきます。

 作品情報 2020年日本映画アニメ 監督:水島努 声の出演:木村珠莉、佳村はるか、千菅春香 上映時間119分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2020年劇場鑑賞69本目



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村





 【ストーリー】
 武蔵野アニメーション(ムサニ)のアニメ「第三飛行少女隊」の完成にそれぞれの立場から携わった高校時代の同級生5人。ともにみた夢が一歩近づいたように思えた。だが、それから4年。ムサニはトラブルで倒産寸前の状況まで陥ってしまった。制作の宮森あおい(声・木村珠莉)は大勢の社員でにぎわった4年前を懐かしみつつ、目の前のルーティンワークに追われていた。他の4人も思い描いたような未来にはなっていなかった。

 そこへ、ムサニにオリジナル劇場版アニメを制作しないかとの話が持ち上がる。現在のムサニの状況では一筋縄ではいかなかったが、宮森はもう一度自分のアニメへの情熱を思い起こす。そして、4人をはじめ散り散りになっていた昔の仲間たちに連絡をとるのだが…

 【感想】
 テレビ版未見でも楽しめますが、登場人物が多いうえ、それぞれの性格、エピソードを知るためにも、テレビ版は見ておいたほうがよいでしょう。さて、4年前、物事がうまくいき、天下をとれるのではないかと思った若者たち。しかし、現実はそう簡単にはいきません。

 かつてあれほど活気のあった職場も今やお通夜同然。やっている仕事も深夜のお色気アニメの下請けということで情熱を燃やせない宮森。田舎の家族からは、「好きな仕事がやれていい」といわれるものの、現実とは程遠い。他の4人も後輩の指導がうまくいかなかったり、脚本がぼろくそに叩かれたり、声優なのに声の仕事がこないなどうまくいっていません。これって結構社会人あるあるですよね。そういう逆境のときほど、仕事をする意味を真剣に考えることで、抜け出すというのも社会人あるあるです。

 恩人だった丸川元社長(高木渉)のアドバイスもあり、大きな仕事に挑戦することを決意した宮森。序盤のやる気なさ、暗さとはうってかわって、困難だけどやりとげたい目標のために表情も一変します。この決意の部分がミュージカル調で描かれており、SHIROBAKOはリアルに描くけど、それだけではエンタメとして成立が難しいとおもったときは、ぶっとんだ演出もいれてくるのが特徴で、むしろ突然のミュージカルのほうが見ているこちらにしっくりと来ました。

 それからは仲間集めが始まります。「七人の侍」のころから、強敵に立ち向かうために仲間を次々に集めるというのは王道中の王道。4人がそれぞれ加わるのがいいですが、割と尺をとられていたのが作画監督の遠藤(松本忍)のエピソード。トラブルでやる気を失い、妻を働かせて自分は現実逃避でゲームばかりの彼を仲間にいれるため、あの手この手が使われます。ライバル作画監督の瀬川(山川琴美)、親友の3D監督の下柳(間島淳司)らが説得にいきますが、このへんもテレビ版をみていれば納得できるエピソードばかり。宮森や仲間の4人だけでなく、群像劇的なのがこの作品の長所です。

 未来はどうなるのかわからないから、今をあがくしかない。そんなメッセージが、アニメ映画に情熱をかけるムサニの人々によって、こちらにストレートに伝わってきます。クライマックスとなる劇中劇の「空中強襲揚陸艦SIVA」はちょっとマニアックぽくて、大ヒットするかは微妙にみえましたが、それですら気合いの入った内容に仕上がっています。前半で鬱状態にさせて後半にいくほど解放するというのは王道ですけど、制作陣の手のひらで転がされているようにはまってしまいました。

 アニメはクールジャパンのキラーコンテンツといわれますが、そのスタッフたちがどういう思いで、どうやって作っているのか。もちろん、あまりダークな実態は描かれていないにせよ非常に参考になります。同時に、アニメにかかわらず、あらゆる仕事において必要なものは何か、やる気を燃え上がらせてくれること間違いなしです。
posted by 映画好きパパ at 07:21 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。