2020年03月19日

酔うと化け物になる父がつらい

 大酒で人生を棒に振った父親を娘の目から描いた作品。原作者のエッセイマンガで実際にも似たことがあったのでしょう。酒は飲んでも飲まれるなということわざを思い出しました。

 作品情報 2019年日本映画 監督:片桐健滋 出演:松本穂香、渋川清彦、ともさかりえ  上映時間95分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2020年劇場鑑賞81本目 



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

 【ストーリー】
 田所サキ(松本穂香)は幼いころから酒癖の悪い父のトシフミ(渋川清彦)に悩まされていた。泥酔してそこらじゅうで吐き散らしたり寝てしまう父に、母のサエコ(ともさかりえ)はあきらめて新興宗教に入りびたり。 

 家族で出かける約束をしても二日酔いで実現できなくなり、飲み友達を家に呼んで飲みながら徹夜で麻雀するといは、子供たちは部屋を追い出される。サキが成長しても父の大酒はやまず、とうとう悲劇がよっぱらきる。

 【感想】
 僕の父がここまでひどくないけれど、毎晩、家でも飲まなければダメな人で、飲むたびに大声で説教し、子供のころそれが嫌でたまりませんでした。大人になって僕は付き合いとかでは飲むけど、家では週1回、缶ビール1本を寝酒にとかいうレベルですし、娘が酒の匂いを嫌がるために娘が起きている間は飲みません。

 トシフミも露骨なDVは少なく、どちらかというと寝たり、騒いだりする酒だから、まだましなほうかもしれません。けれども、子供との約束は守らないし、飲み友達を家に呼んだときは妻を給仕扱いするし、昭和のころならともかく、平成になってもこんな家があるなんて、サキがかわいそうすぎる。

 特に長女ということもあって、家族を酔っぱらった父から守ろうとしたり、逆に父から酒を取り上げようとしたり子供のころからいろいろしますが、まったく役にたちません。その無力感が母を宗教にはしらせ、サキを家族と向き合っても無駄という無気力な性格にするのだから、始末におえません。そのうえ、自分が悪いんだという自虐にはしらせてしまい、冒頭のナレーションでもいってるように、それでも父に愛情が少しでもあったがゆえに、自分が悪いように思ってしまう。恋愛もろくでもない男にひっかかってしまう。いや、これ、全部酔っ払いの父がすべて悪いですから。

 次女のフミ(今泉佑唯)はそんな姉の姿を見て育ったためか、ダメな大人のあしらいがうまくなりました。それでも姉のことをしっかり支えようとしてくれるのは姉妹だからでしょうか。しかし、父親のせいで対人関係を結ぶのが困難になってしまったサキは、そんな妹の好意すらまっすぐに受け止められません。とにかくサキがかわいそうでならなかったのですが、父といい彼氏といい、なんでダメな男ばかり気になるのか。僕のようにまじめで酔っぱらない男も世の中多いのに、でもそういうタイプはつまらない、と持てないんですよね。うーん不条理。

 トシフミはもともと気のいいやつという描写で、仕事が大変なこともあって、酒に逃げていくのがわかります。けれども、そういう酒ってうまいのかなあ?まさにアルコール依存症一直線という感じ。でも飲み仲間が、宇野祥平、森下能幸、星田英利とこれまた、だめな中年を演じたらぴったりのメンツだし、飲み屋のママも安藤玉恵だし、そういう落ちたところに楽しみがあったんでしょうね。

 渋川清彦のだめんずぶりはなかなか板についていますし、松本穂香もこういう小品の主役ははまってますけど、なんといっても今泉佑唯のひょうひょうとした演技と、サキの内心を漫画風の吹き出しで見せる演出、そして深刻になりすぎないBGMが、だめだけどしょうがないというふうに思わせてしまうから罪な演出です。こういう毒親を甘やかす映画が最近ちょこちょこあるけれど、むかついてしまいます。
posted by 映画好きパパ at 07:20 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。