2020年04月04日

舟を編む

 2012年の本屋大賞に輝いた三浦しをんの小説を映画化。辞書を作るだけの話なんてどうやって映像にするのだろうと思ったら、意外にも丁寧な仕上がりでびっくり。しかし、石井裕也監督だったら、ヒロインに宮崎あおいでなくて満島ひかりを起用してほしかった。

 【ストーリー】
 大手出版社玄武書房では新しい辞書「大海渡」の出版を計画していた。しかし、責任者の荒木(小林薫)が定年となり、もうひとりの部員西岡(オダギリジョー)は調子が良いものの、日本語能力は頼りない。そこで白羽の矢が立ったのが変人で知られる馬締(松田龍平)だった。監修の松本先生(加藤剛)のメガネにもかない、編集部に加わった彼は、言葉という広大な海原を渡る舟を作る膨大な作業に没頭する。

 一方、彼が下宿しているおんぼろアパートに、大家(渡辺美佐子)の孫娘、香具矢(宮崎あおい)が引っ越してきて、馬締は恋に落ちる。



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 【感想】
 言葉って単純なようで奥が深い。松本先生のテストに「右という言葉を説明してください」というのがあるのだけど、確かに右という一番基本的な言葉なのに、いざ説明しょうと思うと、とっさには難しいですよね。一言一言こんなに丁寧に作られるのだから、何十万も収録される辞書を製作するのに10年以上かかるというのはある意味納得な反面、流行語は時代遅れになってしまうという懸念もあり、本当に大変。それだけに辞書作りにかける情熱がよくわかりました。

 また、字を使ったコミニュケーションにはプロ中のプロも、しゃべることではコミュニケーション障害で、周りから変人扱いされているというキャラクター設定も面白い。香具矢へのラブレターの場面では場内から笑いも起きていましたし。

 原作、テーマが地味で、脚本も時折ユーモラスな場面を入れつつも、基本的には善人しか登場しないし、盛り上がりにはかけるのだけど、脇役陣の濃厚な演技に支えられています。特に、オダギリジョーが真面目なサラリーマン役というのは初めて見ましたし、オダジョーの恋人役の池脇千鶴、そして、小林薫、加藤剛といった大御所まで、こういう芸達者な演技が物語を楽しませてくれました。主役の松田龍平も普段とは違った存在感を出していましたし、宮崎あおいは何をやらせても手堅い。

 ただ、石井裕也監督の「川の底からこんにちは」を楽しんだ身としては、もっと毒を発揮してほしかったかも。三浦しをんも一見さわやかな作風が知られていますが、「光」のような、人間の俗悪ぶりを描写したような作品こそが真価を発揮できると思ってますので、何もかも想定内のトラブルしか起きないような平板な感じは否めませんでした。それでも、俳優陣の演技に敬意を表し、★★★★(渋谷シネパレス)
posted by 映画好きパパ at 19:48 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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