2020年04月12日

くちづけ

 日本で一番泣ける舞台の映画化で、脚本と重要な役を舞台同様、宅間孝行が演じてます。確かに周りからすすり泣きが聞こえましたけど、娘を持つ父親としては、ちょっと愛情の方向が違うのではと、覚めてしまいました。

 【ストーリー】
 埼玉県本庄市の軽度の知的障害者グループホーム「ひまわり」。漫画家の愛情いっぽん(竹中直人)は、知的障害のある娘のマコ(貫地谷しほり)を入居させ、自身もボランティアとしてホームで働き出す。かつてベストセラーを生んだいっぽんは、妻の死と育児のために、もう何年も漫画を書いていなかった。

 ホームは医師の国村夫妻(平田満、麻生祐未)が運営し、うーやん(宅間孝行)、仙波さん(嶋田久作)ら4人の入居者が暮らしていた。かつての辛い経験から、男性と話ができなかったマコだが、ピュアな心を持つうーやんに心を開いていった。だが、いっぽんは末期がんに犯されており…



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 【感想】
 タイトルは「くちづけ」。クライマックスで、親子のあゆみがスライドショーのように流れるのだけど、一番違和感を感じていたのが、いっぽんがマコの頬にくちづけをする写真が何枚もあったこと。成人した娘にくちづけをくりかえすというのは、いっぽんの愛情深さを物語る一方、その盲目的な愛に陥っていることを示しているかのように思えました。

 知的障害者の自立といわれながら、保護者がいないために、犯罪者になったり、ホームレスになったりするという現実。本人は悪気はないのに、他人からすればぎょっとする言動の数々。さらに、家族に障害者がいるという理由で起きる差別。映画では国村夫妻をはじめとする周りの暖かさで救われている部分はあるとはいえ、現実が過酷であろうことは容易に想像がつきます。だからこそ、いっぽんの偏愛を、愛さえあれば許されるというような作りは嫌でした。確かにこの映画は泣けるけど、大部分のひとは映画を見た次の日には知的障害者の問題なんて、どっかいっちゃうでしょう。

 竹中というアクの強い俳優が演じているだけに、かなり控えめの演技をしているとはいえ、余計に、偏愛に見えたのかもしれません。貫地谷がトップクレジットだけど、物語の主演はいっぽんなのだから、それこそ、平田と竹中の役を交換しても良かったのでは、と思えるほど。でも、竹中を起用したことで、父親の愛とは何かを象徴させるという意図があったのでしょうね。

 貫地谷、麻生、うーやんの妹役の田畑智子、国村夫婦の娘役の橋本愛と、女優陣がみな見ごたえのある演技をしているのは収穫です。また、中盤までにユーモアたっぷりの描写をいれたので、後半の重さが多少救われるという部分がありました。そうとはいえ、手放しでおすすめできないのは、やはり自分が娘を持つ父親だからでしょうか。なかなか考えさせられる作品でした。★★★(109シネマズグランベリーモール)
【2013年に見た映画の最新記事】
posted by 映画好きパパ at 20:12 | Comment(0) | 2013年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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