2020年04月26日

少年H

 少年の目を通してみた太平洋戦争の物語で、原作者の妹尾河童の体験が下になっていますが、原作発表当初から、庶民なのに日本が戦争に負けることを知りすぎていると批判もありました。映画もそういうきらいもありますが、水谷豊の好演もあって真面目な作品になっています。

 【ストーリー】
 昭和初期の神戸。紳士服の仕立てを営む父盛夫(水谷豊)と熱心なキリスト教信者の母(伊藤蘭)に育てられた少年H(吉岡竜輝)と幼い妹の好子(花田優里音)。仕事の関係で外国人との付き合いのあった父についてまわるHは、西洋のことに関心をもつ聡明な少年だった。

 しかし、戦争の影は次第にHたち一家の生活に悪影響を与えていく。Hをかわいがってくれた向かいの青年(小栗旬)は共産主義者としてつかまり、近所のオトコ姉ちゃん(早乙女太一)にも召集令状がくる。やがて、洋服も自由に仕立てられなくなり、盛夫は廃業する。学校でも軍事教練ばかり。そして、戦局はいよいよ悪化し…




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 【感想】
 水谷豊と伊藤蘭という実生活での夫婦がベテラン降旗康男監督の演出もあいまり、息もぴったりの演技。子役もすっかりうちとけていて、本物の家族みたい。また、テレ朝、東映の制作ということもあり、「相棒」シリーズの俳優たち、岸部一徳、神保悟志、山中崇史らも脇役で出ていたのも相棒ファンとしてはうれしい。芹沢が杉下を痛めつけるなんて、相棒ではありえないですしね。

 さて、庶民から見た戦争の悲劇なんだけれど、戦時下で子供たちがどのような生活をしていたかとか、キリスト教徒が迫害を受けていたなんていうことはこれまであまり映像で取り上げられてこなかったので、興味深かった。また、戦争中は軍国主義者だった教官(原田泰造)が終戦後にころっと共産主義者になっているなど、大人たちの情けなさも、ひいたところからみている、思春期の年頃にありがちな視点もいい。

 また、神戸大空襲のシーンは、迫力のある映像をしっかり撮影していて、何もかも燃えるなか、必死でミシンを守ろうとするHの姿を、今の少年たちにも見てもらいたいと思いました。

 ただ、原作同様、良い人は反戦主義者で、悪い人は軍国主義者という色分けがはっきりしすぎて、当時の状況を考えると、ちょっと単純すぎる感じも受けます。しかし、庶民が体験した戦争映画が最近は少なくなっているので、貴重な作品であることは間違いありません。若い人にこそ見て欲しい作品と思いました。★★★★(109シネマズグランベリーモール)
【2013年に見た映画の最新記事】
posted by 映画好きパパ at 07:47 | Comment(0) | 2013年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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