2020年04月29日

さよなら渓谷

 吉田修一の原作を「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」の大森立嗣が監督したということで、いかにもけだるいタッチの邦画。好き嫌いが分かれるでしょう。

 【ストーリー】
 東京都のはずれ、渓谷のある田舎町で幼児殺害事件が起き、実母の里美(薬袋いづみ)が逮捕された。アパートの隣人の尾崎俊介(大西信満)、かなこ(真木よう子)夫婦は、押し寄せるマスコミにうんざりする。

 だが、事件に急展開があった。俊介が里美と不倫して、殺人の共犯の容疑をかけられたのだ。しかも、その通報をしたのはかなこだった。雑誌記者の渡辺(大森南朋)は事件を調べていくうちに、尾崎夫妻の隠された秘密をしる。



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 【感想】
 映画のほうは丁寧にとってあるし、尾崎夫婦(内縁関係だが)の心情というのはすくいあげています。かなこの気持ちがわからないという感想も多いみたいですが、男と女の関係というのは、理屈通りにいかないし、むしろそういう人間の気持ちの不思議さを描きたかったのだろうから、2人の関係はよく描けています。

 なんといっても真木よう子の体当たり演技ですね。結構、過激なシーンを自らこなしているだけでなく、過去の回想シーンでは同一人物かと思えるほど、やつれた演技がはまっています。それほど引き出しが多くないのかなと思っていた女優さんでしたが、やはりプロは違うな、と感心しました。

 また、奥多摩だろうけど、舞台となっている田舎町の風景も効果的。夏の暑い日のいかにもほこりっぽさと、その中で清流が流れる渓谷、という日本の原風景というべきロケ地も、一見の涼やかさと、どろどろとした因習にとらわれるようでお見事。重要な場面で出てくる冬の日本海側の港町も、それまで、暑さばかりが目立った映像を切り替える良い具合になっていて、映像的にはなかなかのものでした。

 ただ、渡辺夫婦の問題を取り上げて、尾崎夫妻と比べようとしたのでしょうけど、その部分が説明がたりなくて弱い。鶴田真由が渡辺の奥さん役を演じているのだけど、この部分は必要だったのかと疑問でした。また、渡辺の同僚の女性記者(鈴木杏)も内面の掘り下げが足らず、中途半端な存在に。ここらへんを改善すれば、もう少しすっきりしただろうけど、ダラダラ感が今の邦画の特徴だから、狙ったのかなあ。★★★(新宿武蔵野館)
【2013年に見た映画の最新記事】
posted by 映画好きパパ at 21:11 | Comment(0) | 2013年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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