2020年05月11日

フローズン・グラウンド

 実際にアラスカで起きた連続女性殺人事件を映画化した作品。アラスカという荒涼とした風景のなか、過度の情感を排した非常にドライな作風のサスペンス映画でした。

 【ストーリー】
 1983年冬のアラスカ。男に殺されそうになったという娼婦シンディ(バネッサ・ハジェンズ)が傷だらけになりながら、警察に保護を求める。だが、シンディが犯人として名指ししたハンセン(ジョン・キューザック)は街の名士で、地元警察は娼婦と客のありがちなトラブルとして処理してしまう。

 同じ頃、人里離れた川原で少女の惨殺死体が発見。州警察のハルコム部長刑事(ニコラス・ケイジ)は、ここ数年多発している女性不明事件との関わりを疑う中、シンディの事件を知る。ハルコムはハンセンが一連の事件の犯人とにらむのだが、シンディは警察に不信感を抱き、協力しようとしなかった。証拠がないと、検察からも反対されるなか、ハルコムはハンセン逮捕のため、執念の捜査を続ける。



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 【感想】
 10年間に20人以上を殺害したとされるハンセン。遺体が発見されていない犠牲者もおり、全容はいまだに不明。エンドロールで実際の被害者の写真が次々と映し出されて、ただでさえどんよりした気分がますます落ち込みます。ニコラス・ケイジの眉間にしわを寄せたような暗い顔が不幸を呼ぶのか、珍しく悪役をやるジョン・キューザックの感情を表に出さないシリアルキラーぶりが嫌悪感を抱かせるのか、爽快感とは皆無の映画です。

 一昔前の捜査とはこういうものかと納得させられる、オーソドックスなハルコムの捜査手法は、初動捜査の失敗、見つからない物証、弁護士の妨害など数々の障害にぶつかりながらも、地道に前に進んでいきます。こういう真面目なサスペンスはあまり見たことがありませんでした。今の刑事ドラマと違って、科学捜査もほとんどなく、警察上層部や家族からも冷たい仕打ちをうけながら、雪の中、ひたすら聞き込みを続けたり、現場に何度も足を運ぶハルコムの姿は、当時の警察官はこうだったのだろうと、頭が下がる思いでした。

 ハルコムは転職間近で、家族への時間を作る予定でした。しかし、予定外の捜査に巻き込まれて、次第に妻アリー(ラダ・ミッチェル)との関係もギクシャクしていきます。警察に不信感を抱いているシンディの心をほぐすため、自宅で保護しようとしますが、アリーの心無いひとことで、飛び出すシンディ。そして、証拠隠滅のために彼女を抹殺しようとするハンセン。このシークエンスは派手な演出こそないものの、緊張感あふれる名シーンでした。

 さて、ハンセンも「凶悪」の木村同様、子供にとっては良き父親で、近隣住民とは近しく付き合うような良き市民でした。せっかくだから、彼が何者かというところを掘り下げてほしかったのですが、ハルコム、シンディ目線で物語が進むため、その部分はカット。それだから、余計に何を考えているのか不気味なんですが、彼の動機とかをもう少し描いても良かったかも。同じ連続殺人鬼を取り上げ、エンタメとしても成り立っている「凶悪」と、日米実録犯罪映画比較をしてみてもおもしろいかもしれません。★★★★(TOHOシネマズららぽーと横浜)
【2013年に見た映画の最新記事】
posted by 映画好きパパ at 07:11 | Comment(0) | 2013年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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