2020年05月15日

人類資金

 役者は熱演を繰り広げているのに、脚本がポカーンという感じで、意味がわかりませんでした。日本の小説や映画って、大金を扱うと全然リアル感がなくなっちゃう。一種の貧乏性なのかな。

 【ストーリー】
 敗戦直前、陸軍の一部は日本の復興のため、極秘裡に金塊財宝などを隠匿した。戦後、その資金はM資金と呼ばれ、民間企業の投資にあてられ、日本の復興に役立つ一方、M資金をダシにした詐欺も数多く行われ、都市伝説となっていた。

 現在の日本。M資金詐欺を行う詐欺師の真船(佐藤浩市)は財団の使者と名乗る男、石(森山未來)から招待され、M(香取慎吾)という男に合う。MはM資金10兆円が実在するとしたうえで、現在、それを管理する笹倉(仲代達矢)が投資ファンドでマネーゲームに使っているため、それを取り戻すよう協力を依頼される。報酬は50億円。防衛省の特殊部隊長・高遠(観月ありさ)や、米国側のM資金の担当者であるマーカス(ヴィンセント・ギャロ)とその部下遠藤(ユ・ジテ)の妨害を受けながら、真船たちは着々と計画をねる。



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 【感想】
 M資金詐欺というのは1970年代ぐらいまで流行し、日産、全日空など日本を代表する企業の役員がひっかかりました。なんで今頃という気もしますが、最近では朝青龍がひっかかったそうで、映画のなかでもポロリとその話が出てきます。そのM資金をめぐるコンゲームだったら面白かったのでしょうが、途中から物語は変な方向へまがっていって、浅い社会派もどきにかわっていきます。

 お金のことが分かってないなあと思ったのが、まず50億円という額。僕ら庶民からすれば一生お目にかかることのない大金ですが、フリーターのデイトレーダーが300億円を儲けたといわれるように、株の世界では大した金額ではありません。真船は50億円を元手に世界を動かす勝負にでるのですが、ケタが3ケタ違うのではないでしょうか。

 また、10兆円という額も途方もなくみえますが、例えばマイクロソフトのビル・ゲイツが作ったビル・ゲイツ財団は700億ドルの資金を持っています。同財団と協力することの多いロックフェラー財団は300億ドルの資金があるので、2つ合わせると10兆円になるんですよね。この2つの財団は教育、医療、貧困の改善などに取り組んでいますが、世の中は変わったでしょうか?世界のまずしさから見れば焼け石に水です。M資金が10兆円で、この映画ではすごいすごいといっていますが、せめて100兆円ぐらいの額にしなければ意味がありません。

 さて、現在日本をはじめとする先進諸国の共通の課題は高齢化です。国内市場だけでは頭打ちなので、海外、それもまだ発展していない国のインフラを整え、治安を良くして、投資がしっかりできるようにしなければなりません。ミャンマーへの投資ラッシュはそうしたことから起きています。一方で、ネットの発展により、発展途上国の生活水準が上がると何が起きるかというと、先進国の労働者とのあいだでコスト削減競争が置き、それはこれまでのようなブルーカラーだけでなく、財務、会計といったホワイトカラーまで巻き込んでしまいます。従って、ネットの発展にともなう新興国の生活向上は、先進国の投資家にとっては大歓迎ですが、先進国の庶民にとっては大きな打撃を与えるのです。こうした現実がまったく無視された本作は、およそバカバカしいとしかいいようがありません。

 そもそも、真船は冒頭で、M資金詐欺をしているところを北村刑事(石橋蓮司)にいきなり摘発されるなど、およそ凄腕に見えない。しかも、その後も右往左往するだけで、肝心なところでは、投資家のあいだでは常識なことすらしらずに、ドジを踏んでしまいます。なんか物語の説得力がゼロなんですよね。

 クライマックス、日本初の国連ロケで石が演説するのですが、森山未來が英語を駆使しながら、こんなにシビアな役ができるとは思わなかった。ダンスがうまいせいか、アクションもキレがありましたし、これだけがこの映画の収穫でしょうか。あとは豪華キャストを揃えているとはいえ、★★(109シネマズグランベリーモール)。だれも指摘してないけど、ラストはガッチャマンクラウズを想起しましたよ。
【2013年に見た映画の最新記事】
posted by 映画好きパパ at 06:58 | Comment(0) | 2013年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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