2020年05月16日

ダイアナ

 ダイアナ妃って僕よりもちょっと上の世代のあこがれ、という感じでしょうか。もちろん死亡したニュースなどは覚えていますが、存命のときはそれほど関心がありませんでした。けれども、この映画を見て、彼女が「心の女王」と慕われた理由が分かるとともに、一人の人間としての美しさを実感しました。

 【ストーリー】
 チャールズ皇太子と別居中のダイアナ(ナオミ・ワッツ)は、執拗なパパラッチに悩まされながらも、毅然とした態度をとっていた。BBCのインタビューでチャールズの不倫を暗に認めたり、自傷行為を明らかにするなど、これまでの王室の人間と違ったアグレッシブな態度は世間から共感と反発、両方をもたらしていた。

 ある日、知人が緊急入院したことを知った彼女は病院に駆けつける。担当医のパキスタン人医師、ハスナット(ナヴィーン・アンドリュース)はダイアナのことを特別視せず、ひとりの女性として扱った。そのことに好意を持った彼女は、ハスナットに惹かれていく。やがてダイアナが離婚し、2人は恋に落ちるが、英国の元王妃とイスラム教徒のパキスタン人では住む世界が違いすぎていた。やがて、悲劇のタネが巻かれていく…



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
 【感想】
 イギリスの貴族の家に生まれて、王妃となったダイアナ。高貴な生まれの人間として、対人地雷廃絶運動をはじめ、チャリティーに力を入れた彼女は、一方で恋多き女という印象がついてしまいました。さらに、悲劇的な死は、イスラム教徒の当時の恋人、ドディ(キャス・アンヴァー)との結婚を阻止するための英国政府による暗殺といった陰謀説まで流れています。

 しかし、本作では、彼女が気高いプリンセスであるとともに、一人の孤独な女性であり、その彼女が真実の愛を知ったことによって、人間的に大きく成長していく様子を描ききっています。ハスナットとの初デートでは、生まれて初めて?自分の手料理をご馳走しようと奮闘しました。プリンセスが電子レンジをいじくるなんて、想像もできなかったですよね。さらに、パパラッチをごまかすため、黒髪のカツラをかぶってお忍びのデートに出かけます。ハスナットはあくまでも普通の生活をしながらのデートなので、ダイアナとのカルチャーギャップが見ものでした。

 そして、彼との愛が深まるほど、ダイアナは「人々の心の女王」へとなっていきます。予定から外れて、地雷で足を吹き飛ばされたアフリカの少女や、息子を内戦で失ったボスニアの老婆、盲目の老人といった弱者にやさしくよりそい、励まします。聖女のような行いは、彼女の人間としての美点を表していたのでしょう。その一方で、恋にうまくいかなかったり、パパラッチの嫌がらせに切れるようすは、やはり彼女もごく普通の人間であったことを表しています。その彼女が身分の違いを乗り越えられず、多くの人から愛されながらも、自分が愛したたった1人の人と結ばれない悲劇は、切なくてたまりませんでした。

 英国人監督ではなく、ドイツ人のオリヴァー・ヒルシュビーゲルが監督しただけ、余計な思い入れがなく撮影出来たのでしょうか。本当に一人の良き人間であったことが伝わりました。ただし、実在の人物の伝記映画だけに、どこまでが事実でどこまでが創作かという問題もあります。あくまでフィクションとしてならば、十分に楽しめる内容でした。日本の皇室を舞台にした映画はとても無理なだけに、面白かったです。★★★★(TOHOシネマズ) これで、ヒルシュビーゲルはヒトラーについで、歴史的人物の晩年を描きましたね。
【2013年に見た映画の最新記事】
posted by 映画好きパパ at 21:32 | Comment(0) | 2013年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。